お洗濯の中でも悩みの多い臭い問題ですが、臭いは自分だけではなく周りに不快な思いをさせてしまうことが一番の不安要素です。
今回はそんな臭いの中でも釣りをする方や、魚を日常的に扱う方には必見です。あのなかなか取れない魚の生臭いにおいの落とし方を紹介していきます。
服から魚の生臭いのが取れない原因

趣味が釣りの方や職業柄魚を扱う方だけでなく、普段のお料理で魚をちょっと触っただけでも手に付いた魚の生臭さってなかなか消えませんよね。
この生臭さは「アミン臭」と呼ばれることもあり、魚の「トリメチルアミン」という成分が原因です。
元々はトリメチルアミンオキサイドという旨味成分の一つですが、魚が死んでしまうと表面にいた細菌が作用してトリメチルアミンという物質に変えてしまうことで臭いが発生します。
しかもトリメチルアミンは服の繊維や手のひらに馴染じみやすい性質があるため、一度ついてしまうと簡単には落とせない物質です。
釣り等で魚の生臭い服の洗濯方法

魚の生臭い原因である「トリメチルアミン」はアルカリ性です。一般的な洗濯洗剤は弱アルカリ性や中性洗剤が多いため、普通に洗濯しただけで落ちないのはこのためでした。
主婦の間で人気の高い万能なあのウタマロ石けんでさえもこっすもて落ちないのは、石鹸もアルカリ性だからなのです。
また消臭でイメージの強い「重曹」もアルカリ性のため魚の臭いを取ることができません。
アルカリ性の物質には酸性の力で中和させて落とす方法が有効です。そこで酸性と言えば、お家にもあるお酢を使ったお洗濯方法を紹介します。
お酢を使った洗濯方法
■準備するもの
- お酢(お酢以外でもレモン汁やクエン酸でも代用できます)
- 桶
■手順
衣類がつかる桶やシンクに水またはお湯をはります。お酢は10リットルに大さじ1杯程度を目安にしましょう。お酢の臭いが苦手な方はクエン酸をおすすめします。
約1時間つけ置きましょう。この時、衣類が浮いてこないようにしっかりとつけるのがポイントです。浮きやすい衣類は重石として水をはった洗面器を上から置くなどして工夫してみて下さい。
お酢は洗濯機の金属部品を傷める危険性があります。すすぎ残しのないようしっかり落としましょう。
いつも使っている洗剤で普段通りの洗濯をしましょう。
漂白剤を使った洗濯方法
漂白剤には大きく漂白・除菌・消臭の3つのパワーがあるため漂白剤でも魚の臭いを取ることができます。
ただし漂白剤は使用できるもの・できないものあるので、まずは臭いを取りたい衣類が漂白剤を使用しても問題ないか確認をしましょう。
![]() | 酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 |
![]() | 塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 |
![]() | 塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
今回使用するのは漂白剤の中でも液体タイプの酸素系漂白剤です。漂白剤には大きく酸素系漂白剤と塩素系漂白剤がありますが塩素系漂白剤はアルカリ性となります。
また塩素系漂白剤は白無地専用で使用できる素材も限定されるため、一般的に色柄物に使える酸素系漂白剤が使い勝手が良くおすすめです。
そして酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプがありますが、液体は酸性なのに対し粉末は弱アルカリ性のため今回は液体タイプを使用します。
■準備するもの
- 液体酸素系漂白剤
- 桶
- ゴム手袋
■手順
酸素系漂白剤は比較的穏やかな漂白剤ですが、素手ではなくゴム手袋を使用しましょう。
漂白剤が発揮する温度の目安は40℃です。液温が下がらないように桶に蓋やラップをするなど工夫しましょう。
すすぐ際も一定の水温が好ましいので約40℃のお湯を使用しましょう。すすがずに洗濯機に液ごと投入しても問題ありません。
酸素系漂白剤は基本的に通常の洗濯洗剤との併用が可能ですが、念の為ご自身でも確認をしましょう。
洗濯できない釣りグッズの臭いの取り方
基本的には水に濡れる場面で使用するので濡れることを想定して作られていますが、だからと言って洗濯ができるかどうかはまた別のお話になります。
ゴアテックスの防寒着や撥水加工の施されたレインウェア、ライフジャケットの中の浮力体など素材によってはお酢や漂白剤につけても大丈夫?と疑問に思うはずです。
基本的には洗濯表示を確認して表示に従いましょう。
ただしライフジャケットのように洗うことを想定していないものについては洗濯表示そのものが付いていないものもあると思います。その場合は洗濯は不可ですのでメーカーにお手入れ方法を確認されることをおすすめします。
特にライフジャケットやフィッシングベストに関しては自己流で洗ってしまうと、中の浮力体や浮力素材に何らかが影響してしまう危険性があります。
命を守る切なものですので安易に扱わず、メーカーの指示に従いましょう。洗濯表示は以下の通り参考にして下さい。
![]() | 液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる (桶の中の数字は液温の上限を表しています。) |
![]() | 40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 家庭での洗濯禁止 |
フィッシングバックなど洗えないものにはファブリーズを吹きかけて天日干しする方も多いのではないでしょうか。
魚の臭いに関しては同じファブリーズでもアルコール成分の含まれているものがありますのでこちらがおすすめです。
アルコールには揮発する際に他のにおい物質も同時に揮発させる性質があるため、素材由来のにおい物質を除去することができます。
ただしこちらも素材によっては変色や色落ちする可能性があります。使用する際は目立たない場所でテストしてからにしましょう。
フィッシンググローブやタオルは特に臭いが付きやすいので先述の「お酢を使った洗濯方法」などを参考にしてみてください。
これらはつけ置き洗いをする前に、桶にはった水に浸して押し出すように海水をぬいてから行う方がより効果的です。
服に魚の血や油が付いた時の落とし方

魚の生臭いにおいにはお酢やクエン酸につけ置くだけで取れてますが、油や血は汚れや色素も付着していますのでこれらを落とすには中和させるだけでは落とせません。
臭いの元になる汚れ自体をすっきり落とす方法を紹介します。
魚の血が付いた時の落とし方
魚の血は臭いだけでなく色素が残ってしまう可能性があるので、できるだけ早く落とすこと、水で洗うことが鉄則です。
血はタンパク質なのでお湯を使用すると固まってしまいます。
血が付いたところを水洗いした後、弱アルカリ性の洗濯洗剤や石鹸でもみ洗いをしましょう。弱アルカリ性の洗剤の中でも「酵素」が含まれているものならより効果的です。
血液に含まれているタンパク質を分解する働きがあります。時間が経過してしまった場合は更に酸素系漂白剤でのつけ置き洗いがおすすめです。
■ポイント
- すぐに水洗いをする
- お湯は使用しない
- 酵素が含まれているアルカリ性洗剤がおすすめ
- 時間が経過した場合は酸素系漂白剤を使用する
魚の油が付いた時の落とし方
油には油で落とす方法が効果的です。油汚れに強いとされるのは弱アルカリ性洗剤ですが、食器用中性洗剤も油汚れに強いのでおすすめです。
油はシミになりますので染み抜きの要領で下にタオルなどを敷き、歯ブラシでトントンと優しくこすり洗いをしましょう。頑固な油汚れには酸素系漂白剤でのつけ置き洗いがおすすめです。
■ポイント
- 弱アルカリ性洗剤や食器用中性洗剤がおすすめ
- 歯ブラシでトントン優しくこする
- 油は水よりお湯を使用する
- 頑固な汚れの場合は酸素系漂白剤を使用する
釣りや魚の生臭い時の臭い取りグッズ

服だけでなく、手や釣り具などにも使用できる臭い取りグッズもありますのでこちらも参考にしてみて下さい。
- 消臭スプレー
- 石鹸
- 釣り専用ウェットティッシュ
- 爪ブラシ
1.消臭スプレー
防臭のスプレーなら予め吹きかけておくと予防にもなります。
2.石鹸
■ステンレスの石鹸
ステンレスでできた石鹸なので見た目はステンレスの塊ですが、持ち運びに便利なので釣りに行かれる場合はおすすめです。
ステンレスに含まれる鉄イオンが魚の臭いの元である細菌に反応して臭いを消してくれるというものです。ステンレスの蛇口を触ると臭いが取れるのもこのためです。
■釣り用石鹸
一般的にイメージする泡立つ石鹸です。手を水で洗いたい場合は釣り専用の石鹸がおすすめです。スクラブの入っているものだとより手のシワまで石鹸成分が入り込んで臭いをすっきり落としてくれます。
3.釣り専用ウェットティッシュ
すぐに手を洗えない場合は抗菌・消臭のウェットティッシュがおすすめです。手だけでなく、釣り具のお手入れにも使えるので一つあると便利です。
4.爪ブラシ
爪の中やシワに入り込んだ汚れや臭いを除去するのに役に立ちます。
子供や赤ちゃんの服が魚の生臭い原因

色々思い当たる原因をさぐってみても直接的な理由が思い当たらず…服ではなくもしかしたら子供自身が発生源?!と不安にもなります。
そこで多くの方が心配されるのはトリメチルアミン尿症(魚臭症)かもしれません。
この病気は生臭いにおいの原因である、トリメチルアミンが体内でうまく分解されず、口臭や体臭として外へ排出されてしまうというものです。
しかしこの病気は世界でも700人ほどしか確認されていないような極めて症例の少ない病気です。
そのため魚の生臭い=病気だと深刻になりすぎず、こまめに汗をふいたり、着替えたり、場合によってはシャワーをするなど清潔に保ってあげることを心掛けましょう。
赤ちゃんや子供は大人より体温も高く汗をかきやすいですし、髪の毛で頭も蒸れやすかったりもします。さらに外で遊ぶ子供は色んなものを服に付けて帰ってきます。
どうしても気になる場合は病院を受診することをおすすめしますが、そこまで神経質にならずに服が生臭いなと思った時は、先述で紹介した洗い方で服をこまめに洗濯してあげましょう。
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