ダウンによくある問題の一つが、ぺちゃんこになりボリュームがなくなってしまうことです。
ダウンは中の羽毛が大きく開き、そこに空気を抱き込むことで保温性が高まるため、ぺちゃんこになったダウンは暖かさを失ってしまいます。
今回はぺちゃんこのダウンを復活させ、ダウンの暖かさを取り戻す方法をお伝えします。
ダウンのボリュームがなくなりぺちゃんこになる原因
ダウンの中の羽毛は、タンポポの綿毛のように細かい毛がまるく空気を含むことで、保温性を高めています。
この羽毛がダウンの中で絡み合ったり潰れてしまうと、羽毛は空気を含むことが出来なくなり、ボリュウームがなくなりダウンはぺちゃんこになってしまいます。
羽毛が空気を含むことが出来なくなる原因にはいくつかあります。
乾燥不足
羽毛が汗をたくさん吸収していたり、洗濯後の乾燥が不十分で水分が残ったままの状態である羽毛は、潰れて羽毛同士が絡み合っています。
羽毛はもともと湿気を吸収する吸湿性と、抱えた湿気を外に放出する発散性に優れていますが、湿気を吸った状態のまま乾かさずにいると、繊維が固くなってしまい、羽毛は空気を抱き込むことができなくなります。
汚れが付着している
ダウンを着用していると、ほこりや皮脂などの汚れが羽毛に蓄積されていきます。
この汚れを放置していたり、洗濯で汚れを落としきれていないと羽毛同士がくっついてしまい、空気を含んだふわふわとした状態を維持することができなくなります。
また、洗濯の際にすすぎが不十分であると、洗剤成分が残った羽毛はダマになってしまい膨らむことができません。
圧縮袋で収納
厚みのあるダウンをコンパクトに収納するため、圧縮袋に入れて収納してしまうと、圧縮時に羽毛の羽根が折れたり潰れたりしてしまいます。
圧縮袋から出すと空気が入って元通りになると思われがちですが、一度折れてしまった羽毛は元には戻りません。
また、クローゼットや押入れにギュウギュウに詰め込んで収納することでも、羽毛が潰れてしまいボリュームダウンの原因になります。
ダウンをふわふわに復活させる方法

ダウンをふわふわに復活させるためには、羽毛同士の絡まりをほぐし、湿気を飛ばして羽毛を開かせる必要があります。
ぺちゃんこになってしまったダウンも空気を含ませてあげることで、ふわふわの状態に戻すことができます。
手でほぐして陰干しする
中で羽毛が固まっている場合は、羽毛がまんべんなくほぐれるように、少しずつ指でつまみながら優しくほぐします。
羽毛に偏りがある場合は、ダウンを上下に振ったり、軽く手で叩きながら、均等に羽毛を移動させましょう。
羽毛に空気をたっぷり含ませることを意識して、「ほぐして」「振って」「叩いて」を何度も繰り返すことで、ダウンが空気を含んでフワフワに戻っていきます。空気を入れる事を意識して、根気よく作業を行ってください。
ダウンの内部にたっぷり空気が入ったら陰干しし、湿気をしっかり除去します。天気の良い日に風通しの良い場所で、4〜5時間の陰干しを2~3日繰り返し、しっかりと乾燥させましょう。
干す際に使用するハンガーは、出来るだけ肩部分が厚いものを選ぶとダウンの中に隙間ができるので、早く乾かすことができ型崩れも防げます。
乾燥機を使用する
ダウンを手でほぐしたり叩いてもボリュームが戻らない場合は、乾燥機を使いましょう。
乾燥機の温風をダウン内部に行き渡らせることで、湿気を取り除くことができます。さらに、乾燥機の回転で羽毛の絡みも解消され、ダウンをふわふわに復活させることができます。
この時、乾燥機にドライヤーボールを一緒に入れて回すと、より効果的です。
ドライヤーボールが羽毛を叩いてほぐしてくれるので、羽毛が立ち上がり、より膨らみを回復させることができます。ドライヤーボールがなければ、タオルや靴下を丸めたものでも代用できます。
濡れた状態から乾燥させるわけではないので、乾燥時間は10分程度でOKです。高温設定での乾燥は、生地の劣化や縮みの原因になりますので、乾燥機は必ず低温でかけるようにしましょう。
ドライヤーを使う
時間はかかりますが、ドライヤーでもダウンをふわふわに復活させることができます。
軽く揉んだり叩いたりしながら、ダウンの袖や内側にドライヤーの温風を当てていきます。温風を同じところにかけ続けると、ダウンの生地の傷みや破れに繋がる恐れがありますので注意ながら行いましょう。
クリーニング後にぺちゃんこで返却されたダウンの対処法

ダウンをクリーニングに出せば、買った時のようにふわふわになって戻ってくると期待しますが、ぺちゃんこになって返却される場合も少なくありません。
洗浄後のダウンは中の羽毛が絡み合った状態になっているので、乾燥工程で十分にほぐす必要があります。
乾燥や仕上げ作業を疎かにし、ダウンが完全に乾かないうちに仕上げてしまうと、羽毛が絡んだままとなっているので、ボリュームが無くなり保温効果も低下します。
またダウンの洗浄には、暖かさの元となる羽毛の油分が取れないように配慮しながら洗浄する高い技術が必要です。
ダウンの扱いに慣れていないクリーニング店に依頼した場合、羽毛の油分が失われ、固まってボリュームがなくなりぺちゃんこになってしまうこともあります。
さらにボリューム感がなくなる原因として、ドライクリーニングを行った場合も考えられます。ドライクリーニングは、水の代わりに有機溶剤と呼ばれる有機化合物を使うクリーニング技術で、油系の汚れをよく落とします。
そのため羽毛の油分が除去されてしまい、空気を含めなくなった羽毛がぺちゃんこになってしまう場合もあります。
料金は高くなりますが、ダウンのクリーニングは、水洗いやウェットクリーニング可能な高度な技術を持ったお店に依頼しましょう。
クリーニング後のトラブルは、早い段階でクリーニング店に持ち込み、再度依頼する必要があります。しかし、再依頼の際には注意すべき点がいくつかあります。
クリーニング後に日数が経ってしまった場合や、クリーニングのタグを外してしまった場合など、保証の対象外になり、再度受け付けてもらえないお店もありますので注意しましょう。
ダウンに限らずクリーニングの返却後はそのまま収納するのではなく、衣類の状態をしっかりとチェックする必要があります。
ダウンの洗濯は、プロであるクリーング店でも難しいアイテムの一つです。大切なダウンがダメになってしまうリスクを避けるためには、確かなクリーニング技術を持つお店を選ぶことが大切です。
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