洗濯表示には陰干しを推奨するマークがあることはご存知でしょうか?大切な衣類を長持ちさせるためには陰干しの正しい方法を知っておく必要があります。今回はそんな失敗しない陰干しの方法やコツを分かりやすくご紹介します。
陰干しとは?マークや意味と効果を解説

お天気の良い日は洗濯物は日光にあててカラっと気持ち良く「天日干し」をしたくなりますが、意外と洗濯表示の注意事項などに「陰干しをして下さい」という内容を目にすることはありませんか。そしてそんな「陰干し」はどの程度まで気をつけるべきか悩んだことはないでしょうか?
ここでまず確認しておきたいのがそもそも陰干しとは?ですが、直射日光を避けて干すことを言います。これには直射日光からの紫外線による日焼けや色あせなどの変色から守ったり、繊維へのダメージを防ぐ目的があります。
つまり紫外線は衣類に大きなダメージを与えていて、それらに弱い衣類を守るための適切な干し方として「陰干し」が推奨されているのです。
陰干しすべき衣類を見分けるには、ズバリ洗濯表示を見て判断をする方法しかありません。中には冒頭で述べたような注意書きを日本語で書かれているものもありますが、基本的には国際規格に合わせた新しい洗濯表示を見て判断することになります。
自然乾燥における洗濯表示は以下の通りです。
![]() | つり干しが良い |
![]() | 日陰でつり干しが良い |
![]() | ぬれ平干しが良い |
![]() | 日陰でぬれつり干しが良い |
![]() | 平干しが良い |
![]() | 日陰で平干しが良い |
![]() | ぬれ平干しが良い |
![]() | 日陰のぬれ平干しが良い |
陰干しは「左上に斜線が1本」入っているので直射日光から衣類を守っているようなイメージを持っていただくと覚えやすいのではないでしょうか。
そして陰干しといっても更に4パターンもの干し方がありますのであわせてご紹介します。
■吊り干し
ハンガーや物干しスタンドなどに吊るす干し方。ごく一般的な方法です。
■ぬれ吊り干し
脱水や手でのねじり絞りをせず、すすぎ後の濡れた状態でハンガーや物干しスタンドなどに吊るす干し方。
■平干し
洗濯物を平らに寝かせた干し方。セーターやニットなど吊り干しをすると伸びたり型崩れをしてしまう恐れがある場合によく使われる方法です。
■ぬれ平干し
脱水や手でのねじり絞りをせず、すすぎ後の濡れた状態で平らに寝かせた干し方。
陰干しと部屋干しの違い

陰干しと部屋干しはなんとなく同じだと思っていませんか?実は似ているようで少し違った定義があります。
まず、陰干しとは直射日光が当たらず風通しのいい場所に干すことを言います。陰干しと聞くと室内をイメージしがちですが、直射日光が当たらず風通しさえ良ければ屋外であってもも「陰干し」となります。
一方、部屋干しはその通り室内に干すことを意味します。そのため室内であれば直射日光が当る場所でも、当たらない場所でも「部屋干し」となります。
陰干しと天日干しの違い

先述で述べた通り陰干しは直射日光が当たらず風通しのいい場所に干すこと、天日干しは直射日光にあてて乾かすことですので、大きな違いは直射日光にあてて乾かすかどうかです。
そしてその効果の違いは直射日光を浴びることによる乾きやすさと、消臭·殺菌の効果です。陰干しではこれらの効果が得られにくいため、生乾きなどの嫌な臭いが発生してしまうこともあります。
ただ、やはり直射日光を浴びる天日干しは陰干しと違い、紫外線で衣類を傷めてしまうデメリットがありますので衣類の寿命を縮めてしまっていることは確かです。
陰干しでは直射日光の紫外線による殺菌効果がない?

直射日光が当たらない場合はほとんど殺菌効果はないとされています。 また天日干しよりも乾く時間が長くなるので油断をすれば雑菌が繁殖し、生乾きの嫌な臭いが発生してしまう恐れもあります。
そんな臭いを発生させないための陰干しのおすすめ方法を次にご紹介します。
陰干しのおすすめ方法やコツ

陰干しを推奨されている衣類はデリケート素材がほとんどです。日中太陽の動きによって日光に当たってしまう可能性もあるので、衣類は裏返しにしてダメージを受けないように干すことをおすすめします。
そして干す前には屋外、屋内に関わらず時間が経過しても直射日光が当たらないかどうか確認しておきましょう。
平干しの場合は衣類が重なってしまうと生乾きの原因となってしまいますので、平干し専用ネットを使って干すと便利です。
万が一お持ちでない場合は、洗濯カゴを裏返した平らな部分や、お風呂の蓋などお家にあるもので代用する方法もあります。
陰干しした方が良い服や素材
陰干しを推奨する衣類に共通して言えることがデリケートな素材を使っているということです。素材で言うなら綿や麻、ウールやシルクなどが挙げられます。またナイロン素材も直射日光を避けるべき素材に含まれます。
これらは紫外線により強度の劣化や変色を起こしやすいためです。また生地にプリントや装飾が施されている場合や、色柄ものや濃色で染められている素材も陰干しがおすすめです。
陰干しにおすすめの場所
ちょうどいい日陰がなく陰干しができない…そんな時の対処法や日陰が無い場所でも陰干しができる方法をご紹介します。
- バスタオルや不織布などで日陰を作る
- 浴室や洗面所に干す
バスタオルや不織布などで日陰を作る
衣類を物干し竿などに吊るしたら、その上からテントのようにバスタオルや不織布を被せましょう。 風通しが気になる場合は不織布がおすすめです。
浴室や洗面所に干す
浴室に干す場合はドアを閉めて換気扇を回した状態がおすすめです。さらに扇風機やサーキュレーターで風を送り込んで短い時間で乾かしましょう。
勿論、浴室乾燥があるご家庭は浴室乾燥の方がより早く乾燥させることができますので是非活用して下さい。洗面所に干す場合もできる限り風通しが良い状況を作りましょう。
陰干しにおすすめの天気と時間帯
洗濯物は干すタイミングで乾き方が全然違います。特に朝·昼·夜でも湿度や太陽の位置が異なりますので、まずは時間帯の特性を理解しましょう。
その時間帯にあわせたおすすめの陰干し方法をご紹介します。
朝は日が低く紫外線が少ない
朝は日が低い位置にあるため、干す場所よってはまだ直射日光が当たらない場合もあります。
紫外線の影響も比較的少ないので風通しの良い場所でさっと陰干して、昼からは室内に干すと効率的に洗濯物を乾かすことができます。
季節によっては朝露などの湿気によって乾きにく場合もありますので、乾きが悪い時にはとり込んだ後、室内で扇風機やサーキュレーターなどで風を当ててあげましょう。
昼は湿度も低く気温が一番高いタイミング
昼は日も高く風も適度にあるので洗濯物が乾きやすい一番のタイミングになります。
ただし陰干しにとってはデメリットも多い時間帯…。直射日光を浴びやすく、紫外線が強いため衣類にダメージを与えてしまう可能性が高くなります。
そのため昼の陰干しにはバスタオルや不織布を活用して、直射日光が当たらないように短時間で干すことや部屋干しをおすすめします。
夜は湿気が多めで時間が無い方向き
夜は日が出ていないので衣類が傷むことがなく、陰干し向きの時間帯?と思われがちですが外干しはおすすめできません。
湿気が多く、日中に比べ気温も低いため生乾きになりやすいだけでなく、防犯面での心配も出てきます。
そのため陰干しに限らず、夜干しをする場合は部屋干しをしましょう。部屋干しも生乾きの心配が出てきますが部屋干し専用の洗剤や、サーキュレーターや除湿機などの家電製品を活用すれば問題ありません。
陰干しで生乾きや乾かない場合の対処法
陰干しで注意したいことは「風通しの良い場所で素早く乾かす」「しっかり乾いてから取り込む」です。 そうでなければ生乾きからくる嫌な臭いが発生する恐れがあります。
そんな生乾きや乾かない場合の対処法は以下の通りです。
■風の力を借りて素早く乾かす
サーキュレーターや扇風機、エアコンの除湿機能など使うと短時間で乾かすことができます。
■干す前に浴室乾燥機にかける
浴室乾燥機が設置してあるご家庭なら、干す前に1時間ほど乾かしてから干すのも効果的です。
■抗菌作用のある洗剤を使う
抗菌作用のある洗剤を使って生乾きの対策をするのもおすすめです。特に部屋干し用洗剤は干している間も抗菌作用が続くものが多いため洗濯洗剤を見直すのも一つです。
衣替え時やクリーニング後は陰干しがおすすめ

陰干しは洗濯後の濡れた衣類を乾かす時だけでなく、衣替え時やクリーニングの後にもやっておきたいものです。
例えば衣替えでしまっていた季節物を出して着ようとした時、臭いがしたら少しのあいだ風通しの良い場所で陰干しをしてみましょう。すると臭いがとんでいきます。
そして、クリーニング後は自宅に戻ったらまずビニール袋から衣類を取り出しこちらも同じく陰干しすることをおすすめします。
クリーングの後に付いているビニールカバーは返却までの間に傷や汚れを付けないための物です。ビニールカバーを付けたままにしていると、空気循環ができず臭いを強めてしまうことになったり、通気性が悪く湿気が溜まりやすいため、カビや虫食いの原因にもなります。
万が一風通しの良い場所がない場合や、風のない日は扇風機などで風の流れを作ることもできますのでぜひ陰干しを上手に取り入れて下さいね。
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