自動車の排気ガスはなんとなく「空気を汚す」イメージはあるものの、空気がどれだけ汚れているかは目に見えない分、人によっても感じ方は違うかもしれません。
実際に洗濯物となるとどれだけの影響があるのかもピンとこない方も多いのではないでしょうか。今回はそんな排気ガスが洗濯物に与える影響とその対策方法を考えていきましょう。
排気ガスの洗濯物への影響は気にしないで良い?

洗濯物を外干しする時に気にするのはどんな時でしょうか。雨の予報、花粉の時期、黄砂やpm2.5が多い時が多く挙げられると思います。
排気ガスについては日頃気にしているのは幹線道路沿いや高速道路沿いにお住まいの方と少し限定されるかもしれません。
それでも少ない燃料で走るハイブリッドカーや、電気自動車など環境にやさしいエコカーが主流となりつつある今やそこまで気に留めていなくてもいいのでは?という声もあると思います。
しかし、車からでる排気ガスの主な成分である窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)は喉、気管支、肺などの呼吸器系の病気や、汚染物質が肌に触れることによるアトピーや皮膚障害などを引き起こすとされています。
そして粒子状物質(PM)はかつて日本の高度成長期には洗濯物や室内の汚れなどの被害が発生していて、濃度の高い粒子状物質を吸い込むことで発がん性のリスクがあるとされてきました。
今でもやはり発生場所から近い場所にいると、粒子状物質に含まれるすすや粉じんが飛んできて洗濯物に付着する被害はあります。
そしてそれらが飛んでくる距離でなくとも排気ガスは大気汚染の原因でもあると考えると、交通量の多い都市部でも排気ガスで空気が汚れていることが考えられますので決して他人事ではありません。
気にするか、気にしないかはお住まいの立地条件、家族構成、性格や個々の意識にもよるかもしれませんが排気ガスはやはり体に良いものではありません。
特にアレルギー体質の方や小さなお子様のいらっしゃるご家庭は、洗濯物を通してそれらの有害物質を吸い込んだり、肌に触れることは可能な限り避けたいものです。
排気ガスが多い場合の外干し対策

外干しする以上、ゼロにすることは難しいですが排気ガスの影響を少しでも少なくするための方法を紹介します。
- 交通量の少ない時間帯に干す
- 短時間で干す
- 洗濯カバーを付ける
■交通量の少ない時間帯に干す
車が多ければ多いほど排気ガスの量が増えると言えますので、影響の受けにくい時間帯に干すことで軽減できます。
■短時間で干す
晴れた日は特にカラッとお布団を天日干したり、風を当てて湿気を逃したりしたくなりますが、短時間に留めておくことがポイントです。
やはり時間が長くなればなるほどそれだけ洗濯物を排気ガスにさらすことになります。
■洗濯カバーを付ける
様々な形状のものがありますが、中でもドーム型やテント型のものがおすすめです。
完全に密閉できるわけではありませんが、全体的に洗濯物を覆うことができるので一定方向のみしか遮ることのできないカーテンのようなシートタイプよりは保護することができます。
排気ガスが気になる場合は部屋干しをおすすめ

ひと昔前のように黒煙をあげて走るようなディーゼルエンジンのトラックはほとんどみかけなくはなりました。たからと言って排気ガスの問題がなくなったわけではありません。
環境に配慮した製品が次々に開発されてはいますが、時代と共に課題や問題も進化していて排気ガスから出た成分と紫外線が反応して「光化学オキシダント」という有害な物質に変化することが分かっています。
これもまた頭痛や吐き気、目がチカチカするなどの健康被害もあるとされています。
自分だけがきれいな空気で生活することはできないので、排気ガスで汚染された空気の中に洗濯物をさらさないようにするためには、部屋干しすることが一番です。
空気中には排気ガス以外にも花粉やpm2.5や黄砂や細菌など私たちの体に悪影響されるものが多く浮遊しているため、外干しには懸念材料がたくさんあるのです。
それらから守るだけでなく、直射日光による色褪せや日焼けを防ぐなど生地の劣化から守るためにも洗濯物にとって部屋干しはメリットがたくさんあります。
部屋干し専用洗剤や、洗濯乾燥機、除湿器、浴室乾燥、サーキュレーター、布団乾燥機など部屋干しに向けたアイテムも数多く販売されていますのでライフスタイルに合った部屋干し方法がきっと見つかるはずです。
交通量の多い道路近くなどのでお住まい選びでお悩み中の方も、これらのリスクを考えた上で新しい生活を築くことをおすすめします。
排気ガス汚れにおすすめの洗濯方法や洗剤

次に排気ガスが服に付いた場合の落とし方をご紹介します。
排気ガス汚れは油汚れにすすやチリやホコリが一緒になったものです。油汚れは油溶性の汚れですが、すすなどは洗剤や漂白剤で分解して落とせる汚れではない不溶性の汚れです。
そのため落とし方の異なる性質の汚れですので普通にいつも通り洗濯機で洗濯するだけではきれいに落とすことはできません。以下の手順を参考に試してみてください。
■準備するもの
台所用中性洗剤
歯ブラシ又は洗濯ブラシ
油汚れに強い台所用中性洗剤を使ってまずは油の部分を浮かして落とします。すすが繊維の奥まで入り込んでしまうため、水やお湯に濡らさずに行うことをおすすめします。
黒いすすのようなものが付いていたらこの時もみ洗い又は歯ブラシを使って汚れをかきだします。
このすすは不溶性汚れの部分なので、洗剤の力ではなく擦って物理的な力で落とすイメージで行いましょう。
ただし力任せにこすっては生地を傷めてしまいますので、優しくトントンしましょう。
桶に40℃のお湯を張ったところですすぐのでも良いですが黒いすす汚れがあれば、洋服を裏返しにして裏から水圧で粒を押し出すイメージですすぎましょう。
あとはいつも通り洗濯に入れて洗えばOKです。
投稿 排気ガスの洗濯物への影響と干し方や対策をプロが解説 は coromoé に最初に表示されました。