胸の前にあるネクタイは食べこぼしなどの汚れが付きやすく、シミを見つける度にクリーニングに出すのも大変です。
しかし、ネクタイは繊細な生地で作られているため、間違ったシミ抜きをしてしまうと取り返しが付かないことになりかねません。
そこで今回は、家庭での染み抜き方法や、シミができてしまった際の応急処置方法をご紹介します。
ネクタイの染み抜き方法
ネクタイを自宅で洗濯する際には、水洗い可能出来るか洗濯表示を必ず確認しましょう。
![]() | 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
家庭での洗濯禁止の場合は、トラブルになる可能性が高いので、クリーニングに依頼される事をおすすめします。
つけ置き手洗いでネクタイの染み抜き
用意する物
- おしゃれ着用洗剤
- 洗面器やバケツなどの容器
- 40℃程度のぬるま湯
- タオル
ネクタイのシミ抜き手順
1.洗面器やバケツなどの容器に、40℃程度のぬるま湯とおしゃれ着用洗剤を入れ、よく溶かします。
2.洗浄液の中にネクタイを入れて5分程つけ置きし、シミを浮かします。
3.つけ置き後、洗浄液の中でゆらゆらと揺らし、振り洗いをします。※強くこすったり揉んだりしてしまうとネクタイに強い負荷がかかり、型崩れや毛羽立ちの原因になりますので、優しく扱いましょう。
4.シミが落ちたら水を取り替えて、同じように水の中で揺らして洗剤をすすぎます。すすぎは水を交換しながら3~4回行い、洗剤をしっかり洗い流しましょう。
5.ネクタイをすすいだ後は、乾いたタオルにネクタイを挟んで、優しく押して水分をタオルに吸収させましょう。
6.水分が拭き取れたら、テーブルなどの表面がつるつるしている上にネクタイを貼り付ける様にして乾かします。表面が下になるように広げて、優しく形を整えましょう。ネクタイの生地の厚みなどによって乾き時間は変わりますが、一晩~1日程度でたいてい乾きます。
7.乾燥後、シワやヨレが残っているようならアイロンをかけましょう。アイロンを低温~中温程度に温め、スチーム設定にします。当て布をして、ネクタイの裏側からアイロンをかけます。
ネクタイからアイロンを1cmほど浮かした状態で、スチームを当てながらシワを伸ばしていきます。表側も同じようにアイロンがけを行い、少しずつシワを伸ばしていきましょう。
ベンジンでネクタイの染み抜き
水洗い不可のネクタイは、ベンジンを使って染み抜きしましょう。ベンジンは石油から作られた溶剤で、油をよく溶かす性質があるため、食べこぼしや油汚れに効果を発揮します。
※ベンジンは引火性の強い液体なので、取り扱いには十分注意しましょう。
用意する物
- ベンジン
- 蓋つきの空き瓶
手順
1.ネクタイを丸めて瓶に入れ、ネクタイが浸かるまでベンジンを注ぎます。
2.蓋をして1分ほど振り、汚れをベンジンに溶かし出します。
3.ネクタイを取り出してハンガーにかけ、自然乾燥させます。ベンジンは揮発性が高いため自然乾燥で十分乾きますが、臭いがきついので外干しするようにしましょう。
4.ネクタイが乾いたら、スチームアイロンで仕上げましょう。
ネクタイの時間が経ったシミの落とし方

シミは付着後、時間が経てば経つほど繊維の深くに染み込んで、取り除く事が難しくなります。時間が経ったシミには、専用のシミ抜き剤とドライクリーニング用洗剤を使って落としていきましょう。
おすすめシミ取り剤
アイン ケミカル ザウトマン

出典:EIN
繊維を傷める塩素や漂白剤は使用しておらず、ココナッツ油脂主成分の自然派シミ抜き洗剤です。シルク、ウール、カシミヤ、色柄ものなど、様々な繊維に使うことができます。
おすすめドライクリーニング用洗剤
ハイベックゼロ

出典:ハイベック
ドライマーク衣類を家庭で洗える洗濯用合成洗剤です。植物系のドライ溶剤を使用しているので環境に優しく、水溶性、油溶性の他に不溶性の汚れも落とすことができます。(クリーニング業者が使うドライクリーニングの為の溶剤ではありません)
必ず、使用前に目立たない部分で色落ちテストをしてからシミ抜きを行いましょう。
用意する物
- ザウトマン
- ハイベックゼロ
- ハイベックゼロ 仕上げ剤
- 洗面器やバケツなどの容器
- タオル
手順
シミ部分にザウトマンの直接原液を綿棒などで付けていきます。擦ると毛羽立ちの原因になりますので、丁寧にシミ部分にそっと塗っていきましょう。
3~4分置いてから、水の中で揺らして洗剤をすすぎます。シミが落ちていなければ、何度か繰り返し行って下さい。
洗面器やバケツなどの容器に水を張り、ハイベックゼロを規定量入れよく混ぜて溶かします。ネクタイを洗浄液に漬けゆらゆらと揺らし、振り洗いをします。
※強くこすったり揉んだりしてしまうとネクタイに強い負荷がかかり、型崩れや毛羽立ちの原因になりますので、優しく扱いましょう。
水の中で揺らして洗剤をすすぎます。すすぎは水を交換しながら3~4回行い、洗剤をしっかり洗い流しましょう。
洗面器やバケツなどの容器に水を張り、ハイベックゼロの仕上げ剤を溶かし、振り洗い~すすぎをします。
ハイベックゼロの仕上げ剤を使うことによって、衣類本来のハリ・ツヤを取り戻し、生地を丈夫にしてくれる効果があります。
乾いたタオルにネクタイを挟んで、優しく押して水分をタオルに吸収させましょう。
テーブルなどの表面がつるつるしている上にネクタイを貼り付ける様にして乾かします。表面が下になるように広げて、優しく形を整えましょう。
ネクタイの生地の厚みなどによって乾き時間は変わりますが、一晩~1日程度でたいてい乾きます。
アイロンを低温~中温程度に温めスチーム設定にし、当て布をしてネクタイの裏側からアイロンをかけます。ネクタイからアイロンを1cmほど浮かした状態で、スチームを当てながらシワを伸ばしていきます。
表側も同じようにアイロンがけを行い、少しずつシワを伸ばしていきましょう。
ご自分でシミ抜きをしても落ちない場合は、無理に落とそうとせずにプロのクリーニング店に相談しましょう。
外出先でネクタイに付いたシミの応急措置

シミは時間が経過してしまうと、なかなか落ちません。
さらに時間が経つと徐々に生地を傷めていくので、シミ抜きのリスクも高かくなりますのでネクタイに食べこぼしや油汚れなどのシミができたら、すぐに応急処置をしましょう。
コーヒーやお茶、醤油などの水溶性のシミの場合
水溶性のシミは油染みよりも比較的落ちやすく、付いてすぐなら水で落とすことができます。
シミの裏側にハンカチやティッシュを当て、濡らしたティッシュなどで軽く叩いてシミを移しましょう。最後に乾いたティッシュなどで押さえて、水分をしっかり吸い取りましょう。
ラーメンの汁や焼き肉のタレなどの油溶性のシミの場合
油を含んだ油性のシミは水では落とすことができません。水をつけてしまうと汚れが広がり逆効果になりますので、必ず乾いたティッシュやハンカチなどで行います。
シミを広げないように注意しながら、乾いたティッシュやハンカチなどで、表面に付着した油分を吸い取りましょう。
シミが付いたらすぐに応急処置を施すことで、その後の染み抜きが楽になります。
自宅に帰ってからなるべく早く、シミ抜きを行いましょう。自分でシミ抜きをすることに不安がある場合や素材に心配がある場合は、無理をせずにクリーニング店に依頼しましょう。
ネクタイの染み抜きクリーニングと料金相場

ネクタイの料金相場は300~500円程度で、シルクなどの繊細な素材の場合はクリーニング作業を丁寧に行う必要があるため、1,500〜2,500円程度と料金は高くなります。
ネクタイの染み抜きは、ネクタイのクリーニング料金にオプション料金が追加で必要になります。ネクタイのシミ抜きの料金相場は、500円~600円程度ですが、シミの範囲や汚れ具合によって料金は変動します。
クリーニング店によっては1000円以上かかる場合もありますので、事前に確認しましょう。
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