コーヒーは多くの方に親しまれている飲み物のひとつですが、うっかり服にこぼしてしまったコーヒーのシミは落ちにくく、困っている方も多いのではないでしょうか。
大切な服にシミを残さないために、正しいシミ抜き方法を覚えておけばあわてずに対処できますので、ぜひ参考にしてください。
コーヒーの成分とシミが取れない原因
衣類に付くシミには水溶性や油溶性など、いくつかの種類がありますが、コーヒーのシミは水溶性に分類されます。
ブラックコーヒーは水溶性なので、水で取り除きやすいことが特徴ですが、カフェオレやカプチーノなど、ミルク、コーヒーフレッシュを入れたコーヒーは乳脂肪分やタンパク質を含むので、油溶性になります。
コーヒーのシミには種類があることを覚えておかなければ、誤った染み抜きの処置をしてしまう可能性がありますので注意が必要です。
また、コーヒーにはカフェインやタンニンなどが含まれていて、シミがついて時間が経ってしまうと、繊維の奥まで色素が入り込み、シミを除去するのが困難になってしまうのです。
コーヒーをこぼしてしまったら、できるだけ早く対処するようにしましょう。
コーヒーの染み抜き方法
コーヒーのシミがついてあまり時間がたっていない段階であれば、キッチンにある食器用洗剤でシミ抜きが可能です。
食器用洗剤は肌にやさしくつくられているので、生地への負担も最小限に抑えられるのがうれしいポイントです。
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
素材によっては水で洗えないものもあるので、自宅で洗濯可能な衣類なのかを洗濯表示で確認してから、シミ抜きを行うようにしましょう。
コーヒーの染み抜き手順
用意する物
- 食器洗い用の中性洗剤
- タオル
- 歯ブラシ
手順
1.シミ部分を軽く濡らし、シミの裏側にタオルをあてます。
2.シミに食器用洗剤をつけ、歯ブラシでシミを優しくトントン叩きます。
3.裏に当てたタオルをずらしながら、シミをタオルに移していきます。
4.水またはぬるま湯ですすぎます。
5.最後に、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
シミ抜きは、シミの外側から中心に向かって落としていくと、周りににじんだシミが残ることを防ぎ、きれいに落とすことができます。
ゴシゴシ擦ってしまうと衣類の繊維を傷めてしまいます。また、汚れを広げてしまい落ちにくくなってしまいますので、歯ブラシで優しく洗うようにしましょう。
時間が経ったコーヒーのシミの落とし方
時間が経つと、コーヒーの色素が繊維に定着して、洗剤では完全に落とすことが難しくなります。そんな頑固なコーヒーのシミは、漂白剤を使うときれいに落とすことができます。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
漂白剤の使用可否は洗濯表示で確認した上で進めて下さい。
用意する物
- 液体酸素系漂白剤
- ドライヤー
- ぬるま湯
手順
1.コーヒーのシミ部分に直接、酸素系漂白剤をかけます。
2.ドライヤーでシミ部分を10秒ほど加熱します。
3.シミが残っているようなら、①~②を繰り返します。
4.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗って完了です。
酸素系漂白剤はドライヤーによって熱を加えることで、シミ抜き効果をアップさせることができます。
外出先でコーヒーのシミの応急処置
シミは少しでも早い処置が肝心です。
外出先で完璧にシミを取り除くことはできませんが、正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。
手順
1.ティッシュや紙ナプキンで、コーヒーの水分を十分に吸い取ります。
2.シミの裏側にティッシュなどをあて、水で濡らしたティッシュでシミ部分を軽くトントン叩き、シミを移していきます。
3.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。
シミを残さないためには、自宅に帰ってからなるべく早く、シミ抜きを行いましょう。
コーヒーのシミは重曹で取れる?
自然由来の素材で環境にも優しく、高い洗浄効果が期待できる重曹はアルカリ性なので、反対の性質をもつ酸性のコーヒーのシミを落とすのに効果的です。
軽いコーヒーのシミであれば、重曹を水で溶いたものだけで落とすことができます。
重曹でシミの落とし方
1.水3:重曹1の割合で混ぜ合わせ、重曹ペーストを作ります。
2.シミ全体を覆うように重曹ペーストを塗り、なじませます。
3.そのまま、30分程放置します。
4.ぬるま湯ですすぎ、重曹を洗い流します。
5.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
時間がたって頑固にこびりついてしまったシミには、酸素系漂白剤を使って落としていきましょう。
コーヒーのシミはクレンジングで取れる?
カフェオレやカプチーノなど、ミルク、コーヒーフレッシュを入れた油溶性のコーヒーのシミはクレンジングオイルが効果的です。
用意する物
- クレンジングオイル
- タオル
- 歯ブラシ
手順
1.シミ部分の裏側にタオルをあてます。
2.歯ブラシにクレンジングオイルをつけ、シミを軽くトントンと叩きます。
3.汚れが浮き上がってきたら、ぬるま湯を少量かけてクレンジングオイルが白っぽくなるまで乳化させ、再度シミ部分を叩きます。
4.水の濁りがなくなるまで、丁寧にすすぎます。
5.最後に、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
コーヒーのシミは塩で取れる?
塩には水分を引き寄せる性質があるので、繊維につけてしまったすぐ後であれば、これを利用してコーヒーを吸い取らせるのも良いです。
塩はどのご家庭にもあり、普通の食塩を使用するので、わざわざシミ抜き用に材料を購入する必要もなく、手軽に染み抜きすることができます。
手順
1.コーヒーのシミ部分に塩をこんもりと、盛り上げるようにのせます。
2.塩をシミにグッと押し付け、コーヒーを塩に吸い取らせます。
3.コーヒーが染み込んだ塩を取り除き、足りないようなら新しい塩をのせて、数分放置します。
4.塩を取りのぞき、塩を繊維に残さないようにもみ洗いし、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
※カフェオレやカプチーノなど、ミルク、コーヒーフレッシュを入れたコーヒーはこの方法は使えませんので注意してください。
コーヒーのシミは酢で取れる?
酢は服の繊維に染み込んで、汚れを溶かし剥がしてくれる効果があります。
シミ抜きに使える酢は穀物酢です。リンゴ酢やすし酢、黒酢などの糖分を含んでいるものは洗濯には使用できないので注意しましょう。
用意する物
- 穀物酢
- 中性洗剤
- タオル
手順
1.酢を水で2~3倍に薄めます。
2.薄めた酢をタオルに含ませ、シミ部分をポンポンと叩いていきます。
3.シミが落ちたら中性洗剤を水で薄め、丁寧にもみ洗いします。
4.酢の成分が残っていると変色する可能性があるので、すすぎは念入りに行いましょう。
5.最後に、ふつう通り洗濯機で洗って完了です。
コーヒーのシミは炭酸水で取れる?
炭酸水に含まれている二酸化炭素には、汚れを浮かせる性質があります。二酸化炭素のはじける泡が細かい繊維とシミ汚れの間に入り込み、繊維の奥からコーヒーのシミを浮かせてくれます。
また、炭酸水は飲食店やコンビニなどでも売られているので、外食などで、洗剤やシミ落としがない場合の応急処置としても使えます。
用意する物
- 炭酸水
- タオル
- 歯ブラシ
手順
1.シミ部分の裏側にタオルをあてます。
2.炭酸水をシミ部分に少量かけます。
3.歯ブラシやタオルで汚れの部分をトントンと軽く叩きます。シミの範囲が広い場合には、別のタオルに炭酸水を含ませ、トントンと叩いていってもOKです。
4.シミが残っているようなら、②~③を繰り返します。
5.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
糖分や色素が入っていると、コーヒーの染みが取れても新たな染みを作ってしまいます。染み抜きには、糖分や果汁の含まれていない炭酸水を使いましょう。
炭酸水に含まれる二酸化炭素は、開封直後からフタの隙間を通って、どんどん空気の中に逃げ出していきます。
開封後の炭酸水では、十分なシミ抜き効果が得られない可能性が高くなるので、炭酸水をシミ抜きに使う場合は、未開封、もしくは開封してあまり時間が経っていないものを使うようにしましょう。
コーヒーのシミは除光液で取れる?
除光液に含まれる「アセトン」という成分には油分を溶かす薬品が多く含まれていて、その成分によって、アクリル・ポリエステル・アセテートなどが使われている衣類は繊維が溶かされてしまいます。
さらに、色素が破壊されて色合いが変化してしまったり、繊維が傷ついて毛羽立ってしまうなどさまざまなトラブルも起こしかねません。
綿や麻の素材の衣類は、除光液を使用しても溶けることはありませんが、色落ちする可能性がとても高く、生地へのダメージが避けられないので注意が必要です。
コーヒーのシミ抜きは他の方法でも十分落とすことが出来ますので、除光液によるシミ抜きは避けた方が良いでしょう。
コーヒーのシミはエタノール等アルコールで取れる?
アルコールやエタノールは、水溶性と油溶性のどちらのシミも溶け出させる働きがあります。
用意する物
- アルコールまたはエタノール
- 歯ブラシ
- 食器用洗剤
手順
1.シミの部分を裏返し、シミ部分にタオルを当てます。
2.衣類の裏側から、アルコールやエタノールをつけた歯ブラシでシミの部分をトントンと叩き、シミをタオルに移していきます。
3.シミ部分をすすぎます。※輪ジミが発生したら、食器用洗剤を付けてもみほぐしてください。
4.最後に、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
アルコールで色落ちする事もあるので、必ず目立たない箇所で大丈夫か確かめてから行って下さい。
投稿 服に付いたコーヒーのシミ抜きをクリーニングのプロが解説 は coromoé に最初に表示されました。