大切な服を守るために防虫剤は欠かせませんが、防虫剤の臭いが服に染み込んでしまうことがあります。臭いがつくのは仕方ない、と諦めていませんか?
今回は、防虫剤の臭いの取り方や予防方法について詳しくご紹介しますので、諦める前にぜひ実践してみて下さい。
服が防虫剤で臭くなる原因
防虫剤にはピレスロイド系・パラジクロルベンゼン・ナフタリン・しょうのうの4種類があります。無臭のものと有臭のものがあり、それぞれ特徴が異なります。
防虫剤の種類 | 特徴 |
---|---|
ピレスロイド系 | ピレスロイド系は無臭で安全性が高く、ほかの防虫剤と混ぜて使うこともできます。 |
パラジクロロベンゼン | 4つの防虫剤成分のなかで、最も臭いが強い防虫剤です。早く効き目が広がる一方で、効果が長続きしないという側面を持っています。 防虫剤が気化するスピードが速いので、臭いも早く飛ぶのが特徴です。 |
ナフタリン | ナフタリンは特有の強い臭いがあります。防虫効果はそれほど強くはありませんが、ゆっくりと効きはじめ効果が長く続きます。 効き目がゆっくりと持続するので、出し入れの少ない衣類やひな人形などの防虫に適しています。 |
しょうのう | 最も古くからある防虫剤で、ハッカのような匂いが特徴です。全ての衣類に使用できますが、主に着物の防虫剤として使われることが多いです。 |
防虫剤臭さは有臭である「パラジクロルベンゼン」や「ナフタリン」の防虫成分の臭いが原因です。防虫剤は気化し、収納ケースやクローゼットに充満して防虫効果を発揮します。
風通しが悪い密閉状態での保管が続くため、防虫剤の臭い成分が繊維にしっかり吸着されてしまいます。
服が防虫剤で臭い時の洗濯方法や取り方
防虫剤の臭いが通常の洗濯で取れない場合
普通の洗濯だけでは臭いが取れない場合は、酸素系漂白剤でのつけ置きがおすすめです。
酸素系漂白剤は、漂白効果はもちろんですが、除菌、消臭効果も高いので通常のお洗濯では落としきれない臭いも落とすことができます。
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
自宅で洗濯可能なのかどうかを、洗濯表示を確認して下さい。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
また、漂白剤を使用する前に、必ず洗濯表示を確認の上で進めて下さい。
用意する物
- 酸素系漂白剤
- 洗面器やバケツなどの容器
- 40℃~50℃くらいのお湯
手順
1.洗面器やバケツなどの容器に40℃~50℃くらいのお湯に、酸素系漂白剤を規定量入れ、よく溶かします。
2.漂白剤を溶かした容器に、臭いのついた服を入れ30分程つけ置きします。
3.軽く絞って、いつも通り洗濯機で洗います。
4.洗濯が終わったら、風通しの良い場所でしっかり乾かしましょう。
防虫剤の臭いを洗濯以外で取る方法
外干しする
防虫剤の臭い成分は揮発性のため、風を通すことでほとんどの臭いは消えていきます。天気の良い日に、風通しの良い場所で干しましょう。
ただし、薬剤のなかには熱に弱いものもあるため、防虫剤の付着による変色を防ぐために直射日光を避け、陰干ししましょう。
スチームをあてる
スチームの細かい粒子が布に付いた臭いを吸着させ、水分が蒸発するときに臭いの成分も一緒に取り除いてくれます。スチームアイロンは、ご自宅での洗濯ができない衣類などにも使用できます。
衣類から2~3cm浮かせてスチームをたっぷりかけましょう。スチームをあてた後は、ハンガーにかけて乾かしましょう。
お風呂場に一晩吊るす
入浴後の蒸気たっぷりなお風呂場の上に、一晩吊るしておきましょう。
蒸気が臭いの成分を吸着してくれるので、衣類を傷めずに臭いのみを取ることができるため、簡単には洗えないコートやジャケットなどにもおすすめの方法です。
その他、冷蔵庫の脱臭剤を使う方法もあります。ビニール袋に脱臭剤と衣類を入れて密封し、一晩置いておくだけで脱臭剤が臭いを取ってくれます。
服が防虫剤で臭くならない為の予防方法
あらかじめ対策をすることで、衣類に臭いをつかなくすることができます。
風通しを良くする
なるべく衣類に防虫剤の臭いがつかないようにするためには、風通しを良くすることが大切です。衣装ケースに収納する場合は、ケースの8割程度の収納を心がけましょう。
クローゼットに吊るす場合も、できるだけ服同士の間隔を空けて収納するようにしましょう。
また、湿気を抑えるために防虫剤と一緒に除湿剤や乾燥剤も入れておくと、臭いの吸着を減らせます。
無臭タイプの防虫剤を使用する
防虫剤の臭いが気になる場合は、ピレスロイド系の無臭タイプの防虫剤を使用しましょう。無臭タイプの防虫剤だと臭いが無いため、効果を感じにくいかもしれませんが、正しく使用すれば防虫効果は変わりません。
適正量の防虫剤を使う
防虫剤をたくさん入れても、防虫効果が高くなるわけではありません。防虫剤は、収納空間の広さに合わせて薬剤が処方されています。
適正量より多くの防虫剤をいれてしまうと、強烈な臭いが服に染みついてしまうこともあります。
また、有臭防虫剤を複数使用すると、ガス同士が化学反応を起こしシミや変色、色焼けやが起こることもあります。間違えた使い方をすると、その効果を十分に発揮できません。
自己判断ではなく必ずパッケージの裏面を確認して正しく使用し、大切な衣類を守りましょう。
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