冬の風を切り裂く寒さ、雪を触る瞬間、車のハンドルを握るとき…日常生活で手袋は私たちの手を温かく守ってくれます。
しかし、その手袋も日々の使用で汚れたり、臭いが気になることも。
この記事では、手袋の洗濯方法や頑固な汚れの落とし方をご紹介します。
手袋の洗濯での注意点
手袋を洗濯する際には、手袋の形や素材を保つためにいくつかの注意点を頭に入れておくことが重要です。
以下に、手袋の洗濯での主な注意点をまとめました。
素材の確認
手袋の素材によっては水洗いが適していないものもあります。
特に、革製の手袋は基本的に自宅での洗濯は避けるべきです。
洗濯タグや付属の洗濯表示を確認し、指定された洗濯方法に従ってください。
なるべく手洗いをする
ウールやカシミヤなどの天然素材は、熱や摩擦により縮んでしまうことがあるため、手洗いを推奨します。
また、水温はぬるま湯を使用し、力強く擦ったりしないように注意しましょう。
柔軟剤を使う
特に冬の乾燥する時期には、合成繊維の手袋は静電気が発生しやすくなります。
洗濯の際には、柔軟剤を使用すると静電気の発生を抑えることができます。
色移り・色落ち
特に濃い色の手袋は色落ちや色移りする可能性があるため、他の衣類とは分けて洗濯することが推奨されます。
初めて洗濯する際には、色落ちテストをしてから本洗いをすると安心です。
- 白い布またはティッシュに洗剤を少量つける
- 手袋の目立たない部分を①で軽く擦る
- ①に色が移った場合、色落ちするため単体で洗うか洗濯を控える
シミや汚れは部分洗いをする
手袋にシミや汚れがついている場合、洗濯機では落とすことが難しいので、その部分を中性洗剤で軽く前処理をしてから洗濯しましょう。
手袋の洗濯は、上記の注意点を押さえることで長持ちさせ、手袋を綺麗に保ちながら快適に使用することができます。
手袋の洗濯方法

手袋の洗濯は繊維や色を保護するため、通常の洗剤ではなく「おしゃれ着洗剤」を使用することが推奨されます。
おしゃれ着洗剤はデリケートな素材を傷めず、優しく洗浄するために設計されています。
そのため、手袋の色落ちを防ぎ、繊維の保護に効果的です。
また、おしゃれ着洗剤の香りは控えめなので、強い香りが残ることが少ないです。これにより、手袋を使用する際に不快な感じが少なくなります。
手袋のケアを重視し、その品質や機能を維持するために、おしゃれ着洗剤の使用を心がけましょう。
手袋の洗濯におすすめの洗剤
![]() | ■アクロン 洗浄成分に浸透性の高い界面活性剤を採用しているので、 弱い水流でもすばやく繊維に浸透。 手袋についた汚れをすっきり落とします。 |
![]() | ■エマール シワ・色あせ予防をしながら洗い上げます。 ダメージリペア技術でセンイを内側から補修し 毛玉・縮みを防ぎます。 |
手袋の洗濯機での洗い方
![]() | 桶に30下に横棒2本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる |
![]() | 桶に30下に横棒1本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
- 洗濯ネット
- おしゃれ着洗剤
- 素材チェックをする
手袋のタグや取り扱い表示をチェックして、洗濯機使用が許可されているか確認しましょう。特にウールやカシミヤなどのデリケートな素材は、洗濯機洗いに適していない場合が多いです。 - 洗濯ネットに入れる
手袋を直接洗濯機に入れると、摩擦により形が崩れる恐れがあります。洗濯ネットに入れることで、そのリスクを減少させます。 - 弱水流で洗う
熱い水や強い水流は手袋の繊維を傷める原因になります。弱水流やデリケートモードを選ぶことで、手袋を優しく洗うことができます。 - 柔軟剤を適量使用
柔軟剤は、手袋の繊維を柔らかく保つ効果があります。ただし、過度な使用は逆に繊維をゴワつかせる可能性があるので、適量を守りましょう。 - 脱水は短時間で
長時間の脱水は手袋の形を崩す恐れがあるため、短時間で行いましょう。取り出した後は形を整えて平らに広げ、自然乾燥させるのがベストです。
手袋の洗濯機洗いは、正しい方法で行えば安全に汚れを落とすことができます。
ただし、常に素材や取り扱い表示を確認し、適切な手順を踏むことを心掛けましょう。
手袋の手洗いでの洗い方
手洗いは、デリケートな手袋や高価な素材の手袋に特におすすめの方法です。
洗濯機に比べて繊維へのダメージを最小限に抑えることができます。
- 洗面器
- おしゃれ着洗剤
- ぬるま湯
- 洗面器にぬるま湯をはる
ぬるま湯(30℃以下)を用意します。熱い水は手袋の繊維にダメージを与える原因となり、縮みや色落ちのリスクが上がります。 - おしゃれ着洗剤を適量溶かす
おしゃれ着洗剤をお湯に適量溶かします。高濃度の洗剤は残留する可能性があるので、ラベルに記載されている量を守るよう心掛けましょう。 - 手袋を浸す
手袋を水に浸け、軽く押し洗いをします。強くこすったり、ねじったりすると形が崩れるので、やさしく洗うことがポイントです。 - すすぎを繰り返す
洗剤がしっかりと落ちるように、2〜3回手袋をすすぎます。最後のすすぎは冷水を使うと、繊維がしっかりと締まり、手袋がきれいに仕上がります。 - 水分を取る
手袋を平らに広げ、柔らかいタオルの上に置きます。タオルを巻きつけ、軽く押して水分を吸い取らせます。この際、手袋を絞ったりしないように注意します。 - 形を整えて乾燥
手袋の形を整え、風通しの良い場所で自然乾燥させます。直射日光や暖房器具の近くは避けるようにしましょう。
通常の洗濯で落ちない手袋の臭いを取る方法
手袋は手の汗や皮脂を吸収しやすいため、特有の臭いがこびりつくことがあります。
通常の洗濯だけではなかなか取れないこの臭いを、効果的に取り除くための方法を紹介します。
重曹を使用する
重曹は天然の消臭剤として知られています。
水に重曹を少量溶かし、手袋を浸します。約30分程度置いた後、しっかりとすすぎ洗いを行いましょう。
酢を利用する
酢には殺菌効果と消臭効果があります。
水4に対して酢1を混ぜて手袋を浸けます。15〜20分ほど浸けた後、水でよくすすぎます。
消臭スプレーを使う
市販の消臭スプレーも効果的です。
スプレーを吹きかけた後は、風通しの良いところに干しておきましょう。
消臭スプレーを使用する際は、製品の取扱い説明書に従いましょう。
以上の方法は、手袋の素材や臭いの種類によって効果が異なる場合や、使用できない場合があるので注意。
いくつかの方法を試し、自分の手袋に最も効果的な方法を見つけると良いでしょう。
手袋に付いたハンドクリームやワセリンの洗濯方法
冬の乾燥対策としてハンドクリームやワセリンを使用することは多いですが、これらが手袋に付着してしまうと、取り除くのが難しくなることがあります。
特にハンドクリームやワセリンは油分を多く含むため、水だけでは落ちにくい性質です。
しかし、正しい方法を用いれば、家庭での洗濯でもきれいに落とすことができます。
以下、ハンドクリームやワセリンを手袋から効果的に取り除く方法をご紹介します。
ぬるま湯と食器洗剤を使う
- まず、ボウルや洗面器にぬるま湯を入れ、食器洗剤を少量加えてよく混ぜます。
- 汚れた手袋をこの溶液に浸し、優しく揉み洗いをします。食器洗剤の洗浄力で、ハンドクリームやワセリンの油分が分解され、浮き上がってきます。
- しっかりとすすぎ洗いを行い、食器洗剤が完全に洗い流されることを確認します。
手袋に生えたカビの取り方
手袋が湿った状態で保管されると、カビの発生の原因となることがあります。
カビは見た目だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早急な対処が求められます。
液体の酸素系漂白剤を使う
ここで気をつけてほしいのが、「液体」の酸素系漂白剤を使うところです。
粉末タイプの酸素系漂白剤は、成分が異なりウール素材に合わないので、手袋を傷める可能性があります。
液体の酸素系漂白剤を使った方法はこちら。
- 30度程度のお湯に液体酸素系漂白剤を規定量溶かします。
- 1時間程度浸けた後、十分にすすぎ洗いを行います。
注意点として、目立たない部分での試し洗いを行った上で、本洗いを行うことをおすすめします。
クリーニング店へ相談する
手袋にカビが生えてしまったときの対処法は大変デリケートです。可能ならばクリーニング店に相談することをおすすめします。
カビが生えてしまった手袋のクリーニングの料金は、大体500円~1,500円程度ですが、クリーニング店によって料金が異なるので、事前に確認しておきましょう。
手袋のおすすめ洗濯頻度
- 毎日の使用の場合
通勤や通学で毎日使用する手袋の場合、1週間に1回は洗濯をおすすめします。汚れや汗、手の油分などが手袋に染みつくことで、臭いや汚れが気になるようになります。 - 週数回の使用の場合
週に数回しか使用しない手袋の場合、2〜3週間に1回の洗濯が適切です。 - 特定の活動のみでの使用
スキーや雪合戦、ガーデニングなど特定の活動専用の手袋の場合、その活動後すぐに洗濯することをおすすめします。 - 高品質な素材やデザインの手袋
カシミヤやシルクのような高品質な素材や特別なデザインの手袋は、頻繁な洗濯による摩耗を避けるため、使用後はしっかりと乾燥させ、汚れが目立ってきたら洗濯する、という方法が良いでしょう。 - 汚れや臭いが気になる場合
使用頻度に関係なく、汚れや臭いが気になる場合は、即座に洗濯を行うことをおすすめします。
結論として、手袋の洗濯頻度は使用状況や素材によって変わりますが、手袋が清潔で快適に使用できる状態を保つためには、定期的な洗濯が大切です。
また、洗濯する際は、手袋の素材や洗濯表示をしっかりと確認し、適切な方法で洗濯することが重要です。
手袋の干し方や乾燥機の使い方と注意点

手袋の洗濯後の干し方や乾燥方法は、素材や形を維持するためにも重要な工程となります。
適切な方法で乾燥させることで、手袋の寿命を延ばすことが可能です。
以下に、手袋の干し方や乾燥機の使用方法と注意点を紹介します。
干し方
平干し
洗濯バサミで挟むと跡がついてしまう可能性があるので、手袋の形を整えて平らに広げ、通気性の良い場所で自然に乾燥させましょう。
特に繊細な素材や縮みやすい素材の場合におすすめです。
風通しの良いところで陰干し
直射日光は色あせの原因となることがあるため、風通しの良い陰での乾燥が適切です。
湿度の高い場所や風通しの悪い場所での乾燥は、カビの原因となりやすいので避けましょう。
乾燥機の使い方と注意点
![]() | 四角に丸と1つの点は排気温度上限60℃の低い温度でタンブル乾燥可能 |
![]() | 四角に丸と2つの点は排気温度上限80℃でタンブル乾燥可能 |
![]() | 四角に丸と×はタンブル乾燥禁止 |
使用可の手袋の場合
手袋のタグや洗濯表示を確認し、乾燥機使用が可能であるかをチェックします。
使用可の場合でも、低温設定で優しく乾燥させることをおすすめします。
使用不可の手袋の場合
乾燥機の熱や強い風は、手袋の縮みや形の崩れ、素材のダメージの原因となることがあるため、乾燥機使用が不可の手袋には使用を避けましょう。
適切な方法で乾燥させることで、手袋を長持ちさせることができます。常に手袋の状態や素材を確認しながら、適切なケアを心がけましょう。
衣替え時の手袋の保管方法や保管場所

手袋は冬の終わりと共に長い間クローゼットの中に収納されることが多いですが、適切な保管方法を取らないと、次の冬にはカビや虫食い、色あせなどのトラブルが発生する可能性があります。
以下に、衣替え時の手袋の適切な保管方法や保管場所について詳しく解説します。
手袋の保管前のチェック
- しっかりと乾燥しているか
保管前には、手袋が完全に乾燥していることを確認しましょう。湿った状態での保管は、カビの原因となります。 - 汚れの確認
保管する前に手袋の汚れを確認し、必要であれば洗濯を行います。汚れたままの保管は虫の原因となることがあります。
保管方法
- 袋に入れて保管
クリアなプラスチック袋や不織布の袋に1組ずつ入れて保管することで、ホコリや虫から手袋を守ることができます。 - 防虫剤の使用
虫食いのリスクを減少させるため、防虫剤を使用するのも一つの方法です。 - レザー手袋
柔らかいブラシでブラッシングしレザー用のクリームを塗ってください。塗ったら1日程度陰干しして乾かしましょう。
保管場所
- 直射日光を避ける
手袋の色を保つために、直射日光の当たらない場所での保管がおすすめです。 - 湿度の低い場所を選ぶ
カビの発生を防ぐため、湿度の低い場所での保管が理想的です。除湿剤を使用しても良いでしょう。 - 通気性の良い場所
通気性の良い場所での保管は、カビや臭いの発生を抑制するのに役立ちます。
適切な保管方法と保管場所を選ぶことで、手袋を長持ちさせることができます。
手袋のクリーニング料金相場

以下の表は、手袋の素材ごとの一般的なクリーニング料金相場を示しています。
手袋のクリーニング料金は、使用されている素材や加工、汚れの程度によって大きく異なります。
また、地域やクリーニング店の方針によって、実際の価格は異なる場合もあります。
材質・用途 | 料金相場 |
---|---|
ウール | 500円 |
カシミヤの手袋 | 1,000円~2,500円 |
革 | 1,500円~3,000円 |
スエードの手袋 | 1,800円~3,500円 |
ムートンの手袋 | 2,000円~4,000円 |
スキーやスノーボード用の手袋 | 2,500円~5,000円 |
最終的には、手袋の素材や使用状況に応じて、最適なタイミングでのクリーニングを選んでください。
定期的なケアで、お気に入りの手袋を長く愛用しましょう。
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