洗濯表示などでタンブル乾燥禁止と書かれたものを目にしたことはありませんか。タンブル乾燥とは?どのような乾燥方法なのか、ここではその意味と禁止マークの理由を解説致します。
タンブル乾燥とは?意味やマークの解説

衣類には適切に取り扱うために洗濯表示が裏側に付いていますが、日頃のお洗濯において気に留めていない方も多いのではないでしょうか。
その表示には洗濯や乾燥、アイロンのかけ方などを記号によって分かりやすく示されています。
この洗濯表示はこれまで日本独自の規格で定められたものを使用してきましたが、様々な国で生産された衣類が世界中で販売されるようになった背景から国際規格への統一化が進められてきました。
そのため日本でも2016年12月からは国際規格に合わせた新しい洗濯表示となり、そこでこれまでなかった「タンブル乾燥」についての表示が新しく追加されるようになりました。
タンブル乾燥に関しての洗濯表示は以下の3種類です。
![]() | 排気温度上限60℃の低い温度でタンブル乾燥可能 | |
![]() | 排気温度上限80℃でタンブル乾燥可能 | |
![]() | タンブル乾燥禁止 |
タンブル乾燥とは洗濯物を回転させながら、熱風によって洗濯物の水分を除去する処理のことです。
コインランドリーの乾燥機だけでなく、家庭用の洗濯乾燥機の乾燥機能、衣類乾燥機でも使われている乾燥方法で、タンブラー乾燥と言われることもあります。
タンブル乾燥の使い方

タンブル乾燥の主なメリットは短時間で衣類を乾燥することができることです。それだけでなく、熱や風を当てることで、除菌、脱臭効果やふっくらと仕上げる効果も期待できます。
しかし、タンブル乾燥が出来る衣類でも先程紹介した洗濯表示の通り排気温度の上限温度には注意が必要です。家庭用でタンブル乾燥をする場合は、乾かし方や最高何度まで上昇するかを確認しておく必要があります。
また一般的にコインランドリーの方が容量が大きくパワフルですので、特にコインランドリーで乾燥機を使用する場合は注意しましょう。
低温:約50~60度
中温:約60~70度
高温:約70~80度
タンブル乾燥禁止マークの理由

実際にこれらの表示温度を守らないとどうなるのか、なぜ禁止マークが付いているのか理由を挙げて考えていきましょう。
タンブル乾燥で縮む
タンブル乾燥で縮む理由は大きく2つあります。
- 熱風で繊維が収縮する
- 乾燥の回転で繊維がつぶされてしまう
タンブル乾燥は熱や風を当てて水分を蒸発させるため、熱に弱い素材でできた衣類の場合は繊維が収縮してしまいます。
さらにその熱風をまんべんなく行きわたらせるために回転させるため、衣類同士が擦れたり、絡まり合ったりして繊維が押しつぶされて縮んでしまう原因となるのです。
完全に縮みを直すことは難しいため、乾燥前には洗濯表示のマークや注意書きを確認することを習慣化しましょう。
タンブル乾燥で燃える
タンブル乾燥の発火の原因のほとんどが衣類に染み込んだ油です。例えばボディケアなどの美容オイル、食用油、ガソリン、機械油などが挙げられます。
これらの油が洗濯で落としきれていないと、酸化し発熱を起こし乾燥機の熱風で発火する事態となりかねません。
そのため、これらの心配がある場合は、専用洗剤やお湯などを使ってしっかり油を落とすようにしましょう。
タンブル乾燥でシワになる
シワになる原因は衣類その物の素材なども考えられますが、洗濯後そのままタンブル乾燥をすると、脱水で生じたシワのまま乾燥に入るためムラやシワの原因となります。
洗濯ネットに入れたままのタンブル乾燥もシワになりやすいため、洗濯終了後、一度洗濯物を取り出しシワを伸ばしてから乾燥することをおすすめします。
また、縦型洗濯機の場合は衣類同士が絡みやすく、密着している時間が長いため、乾きムラや重みでもシワになりやすいです。一度で乾燥する量を減らすなど工夫をしましょう。
タンブル乾燥でプリントが剥がれる
乾燥時の熱でプリントが剥がれたり、ひび割れたり風合いが損なわれるトラブルは多々起こります。Tシャツを始めとするプリントを貼り付けている衣類は特に気を付けましょう。
タンブル乾燥OKの服や素材

タンブル乾燥に向いているのはパジャマなどの部屋着です。多少シワになっても人目を気にせず着用できます。それ以外では靴下やインナーなども丈夫にできて部屋着と同じ理由からもおすすめです。
素材ではポリエステルは縮む心配がありませんので、タンブル乾燥OKです。服以外だとタオルやシーツや枕カバーなどの寝具にも適しています。
タンブル乾燥禁止の服や素材
タングル乾燥によって傷みやすい代表的な衣類は以下の通りです。
- セーターなどの編み物
- ストッキングやレースの下着
- ビーズやスパンコール、刺繍などの装飾の付いている服
- プリントされている服
- 合皮や本革の服
NGな素材としてはウール・シルク・レーヨン・綿・麻などの天然素材全般と、化学繊維の中ではナイロン・ポリウレタンが代表的です。
一般的にこれらの素材は熱によって負荷がかかりやすいためタンブル乾燥には向きませんが、どれだけの割合かによってもその影響の出方には違いがあります。
禁止マーク衣類をタンブル乾燥してしまった場合

縮んでしまった場合
柔軟剤で多少の縮みを直すことができます。柔軟剤の代わりにシリコンの含まれたリンスを使用する方法もあります。
綿の場合はもう一度洗濯をし直して、ゆがみを整えながら干すことで縮みが改善されることもあります。
柔軟剤で元に戻す方法
1. 洗面器などにぬるま湯をはり、柔軟剤を適量入れる。
2. 縮んだ服を浸して5分程置いておく。
3. 洗濯機でかるく脱水するか、バスタオルなどで水気を切る。
4. 形を整えて風通しの良い場所で干す。
シワができてしまった場合
シワができてしまった場合はアイロンで伸ばすか、もう一度洗濯をし直すことで改善できます。アイロンをする場合は、スチーム設定にして生地を柔らかくしながらシワを伸ばしましょう。
頑固な折りジワになっている場合は、霧吹きとドライアイロンにする方がキレイになりやすいのでおすすめです。
ヒートポンプ式もタンブル乾燥に含まれるか?
乾燥機能の種類として大きく、ヒーター式とヒートポンプ式があります。
この2つにはヒーターを使うか使わないかの大きな違いがあり、乾燥機内の温度を上げて乾かすヒーター式に対し、ヒートポンプ式は空気中の熱を集めて乾燥機内で熱交換した熱で乾燥させる方法です。
ヒートポンプ式はヒーター加熱の電力が要らない分、使う電力量が大幅に削減することができる点と、低温風で衣類に優しいことも魅力です。
回転しながら温風を当てて乾かす機会全般をタンブル乾燥と言うため、ヒーター式であってもヒートポンプ式であっても、ドラム式であっても縦型であっても全てタンブル乾燥に含まれることになります。
タンブル乾燥禁止を送風乾燥可能か?
送風乾燥とは洗濯槽を高速で回転させて空気の流れをつくって水分を飛ばす簡易乾燥です。
コインランドリーにおいてはタンブル乾燥後、衣類を冷却してクールダウンをさせることで衣類のシワを防ぐ役割として送風設定がある場合もあります。
ヒーターを使わないため熱風ではないので、その点熱に弱い衣類には使用できることにはなりますが、実際のところ送風乾燥だけでは綿や混紡は乾かすことができません。
また回転するのはタンブル乾燥と同じですので、衣類への傷みやダメージは与えることにはなりますので避けておくのが無難です。
基本的に家庭での送風乾燥は、洗濯槽を乾燥させてカビ予防や臭いを防ぐ目的で使用するこのが適しています。
タンブル乾燥禁止を浴室乾燥可能か?

浴室乾燥はタンブル乾燥のように回転させたり、熱風で乾かすわけではありません。ダメージにならない程度の温風ですので、タンブル乾燥禁止マークが付いていても乾かすことができます。
一般的な浴室乾燥の平均温度は40℃~45℃程度になります。
コインランドリーの乾燥機はタンブル乾燥に含まれるか?

冒頭で説明した通り、コインランドリーの乾燥機もタンブル乾燥になります。家庭用と比べパワフルであったり、高温になることもあります。
温度設定できない機械もありますので、コインランドリーで乾燥する場合は洗濯表示はもちろん、NGの素材なども参考に慎重に行いましょう。
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