お化粧をする方なら誰しも経験するファンデーション汚れ。特に服を脱ぎ着する時に襟元や首回りについてしまうことも多いのではないでしょうか。
「ファンデーションは洗濯しても落ちにくい」というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、ポイントさえおさえればご家庭でもきれいに落とすことができる汚れです。
今回はそんな服に付いたファンデーションの落とし方を紹介します。
ファンデーションが服に付いたら落ちない理由

普段ファンデーションを購入する時、どんなところをみて選んでいますか。肌に合っていることは勿論のこと、お化粧崩れしにくいことは大きなポイントではないでしょうか。
肌質もひとそれぞれ十人十色ある中でファンデーションの種類も数多くありますが、そのほとんどは「顔料」と「油」でできています。
顔料は水や油にも溶けない色素のことで、これを粉砕し色の粉末にしてファンデーションの色を作っています。
顔料はそれ以外にもクレヨン、塗料、織物、食品など様々な物に用途によって使い分けて使用されていますが、化粧品に使われる場合は色を調整する目的だけでなく、光沢や付着性の高いものを使用している特徴があります。
そのため服に付いてしまうと一転、「化粧崩れしにくい=落ちにくい汚れ」となってしまうのです。
さらに水洗いをしても落ちないのは「油」は水に溶けることができないため、いつものお洗濯だけでは落とすことができません。このような「油溶性」の汚れには「油」で落とす方法が効果的です。
つまり、ファンデーションが服についたら「水」ではなく、「油」を分解する働きのあるもので洗えばすっきり簡単に落とすことができるのです。
ファンデーションの落とし方や洗濯方法

ファンデーションにもリキッドファンデーション、ウォータープルーフファンデーション、パウダーファンデーションなど種類がありますが、いずれの場合も同様のやり方でOKです。
ただしパウダーファンデーションが軽く付いただけであったり、粉を服に落とした程度であれば繊維の上にのっているだけなので、ガムテープの粘着で取る方法がおすすめです。
毛羽立ちに注意しながら優しく取ってあげましょう。
洗濯前には洗濯表示を確認して家庭で水洗いできるかどうかもあわせて確認しておきます。以下のように桶に×印は家庭では洗濯できませんのでクリーニング店に相談しましょう。

家庭での洗濯禁止
服に付いたファンデーションを洗濯するうえでのポイントは3つです。これだけをおさえておけば最小限の手間でスッキリ落とすことができます。
- 最初に水で濡らさない
- 洗濯機に入れる前にファンデーションが付いている部分を手洗いする
- お湯を使用する
それでは以下の3パターンを使用した洗濯方法をご紹介します。
クレンジングオイル+食器用中性洗剤
クレンジングオイルはメイクを落とすものですので、服についた場合も有効です。食器用洗剤は油汚れに強いためファンデーションの油を分解する働きがあります。
どちらか一方のみの使用でも効果はありますが、食器用洗剤を使用することでファンデーションの汚れを落とすだけでなく、クレンジングオイルを繊維に残さないよう一緒にオイルを落とすことができるのでダブル使いがおすすめです。
液体洗濯洗剤
普段使用している液体洗濯洗剤を直接塗布して油を浮かして落とすこともできます。液体洗濯洗剤にも中性と弱アルカリ性がありますが、油汚れに強いのは「弱アルカリ性」になります。
シャンプー
積極的におすすめはしませんが、実はシャンプーでも落とすことができます。シャンプーも頭皮の脂(あぶら)を落とすために洗浄成分がたっぷりと入っていますのでファンデーションの油を分解することが可能です。
使用した後はしっかりすすいで繊維に残らないようにしましょう。
■手順
手順はどれも同じですのでそれぞれ使用する洗剤に置き換えて参考にして下さい。
1. クレンジングオイルと食器用中性洗剤(1:1)汚れている部分に塗布する
歯ブラシの背の平らな部分でしっかり馴染ませませましょう。配分はだいたいでOKです。ウォータープルーフファンデーションの場合はクレンジングオイルを多めにするなどして調整してみてください。
お肌のメイク落としと同じく浮かせて落とすイメージで行いましょう。
2. 軽くもみ洗いをする
生地同士でこすらず、汚れている部分を指先でつまんでもみ洗いをしましょう。
4. 約40℃のお湯に浸してすすぐ
油分を含む汚れはお湯の方が落ちやすく、汚れも緩みやすいです。
服に付いて時間が経ったファンデーションの落とし方

時間が経過していても諦めずに試してみましょう。シミ抜きの要領で落としていきます。
液体洗濯洗剤+消毒用アルコール(ベンジン)
今やどのご家庭にもある消毒用アルコールがお洗濯でも活躍します。アルコールは油分を溶かす溶剤として染み抜きにも使うことができます。
消毒用アルコールだけでなく、ベンジンも同様に使用できます。ただしこれらを使用する際は火気には十分注意しましょう。
■手順
1. 汚れている部分の下にタオルを敷く
2. 液体洗濯洗剤と消毒用アルコール(2:1)を直接塗布する
3. 歯ブラシで優しくトントンする
4. 約40℃のお湯に浸してすすぐ
洗濯でも落ちないファンデーションの染み抜き方法

これまでの方法で試してみても落ちないような頑固な汚れには漂白剤の力で落としましょう。今回使用するのは色柄物でも安心して使用できる酸素系漂白剤です。
酸素系漂白剤には液体(酸性)と粉末(弱アルカリ性)の2種類ありますが、液性が異なるため使用できる素材も変わってきますので使い分けが必要です。
使用する素材に問題がなければどちらを使用してもOKですが、ファンデーションのように油性のシミにはやはりアルカリの力が有効ですので粉末タイプを使用します。
■手順
1. 洗濯表示を確認する(左2つであれば使用可能です)
![]() | ![]() | ![]() |
酸素系漂白剤のみ使用可能 | 塩素系及び酸素系漂白剤の使用可能 | 塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
2. 桶に40℃のお湯をはり酸素系漂白剤(粉末)を適量入れる
3. 衣類を入れて30分~1時間程度放置する
この時、液温が下がらないように蓋やラップをしておくことをおすすめします。様子を見ながら時間を調整しましょう。
ただし長くても2時間までにしておきましょう。
4. 40℃のお湯ですすいだ後、いつも通り洗濯をする
外出先でファンデーションが服に付いた時の応急処置

ファンデーション汚れがついたら極力早く落とすことが一番です。外出先でも身近にあるもので対応できますので気付いたら早い段階で対処しておくと帰宅後のお洗濯が楽になります。
ティッシュとハンドソープ
■手順
1. ファンデーションをティッシュに移す
汚れを広げないようにこすらず上から優しくティッシュで取りましょう。
2. ハンドソープをシミの部分につけて馴染ませる
3. ファンデーションの面を下にしてその下にティッシュを敷く
4. 裏からティッシュで軽く叩く
表からたたくとファンデーションを広げてしまう可能性があります。ファンデーションのついていない面(裏)から叩く方が安全です。
5. ティッシュを濡らしハンドソープや汚れを拭きとる
※メイク落としシートがあればハンドソープがなくても上からシートで叩いて応急処置ができます。
ファンデーションが付いた服のクリーニングと料金相場

ファンデーション汚れをご家庭にあるもので落とす方法を紹介してきました。しかし汚れの範囲や程度、洋服の素材によってはご自身で行うことでかえって状況を悪化させてしまうリスクも考えられます。
そのような場合は迷わずクリーニング店に相談しましょう。
クリーニング店によってその落とし方は様々ですのでその内容によっても料金は変わってきます。
油汚れに強い溶剤で一度で洗い落とす方法や、染み抜きとして落とす方法などファンデーションの汚れだけでなく、衣類素材の特性を把握しているプロだからこそ適切な洗い方で対応してくれるでしょう。
程度の軽い汚れで通常のドライクリーニングで落ちればその価格だけで済みますが、染み抜きになってくると更に数百円~5千円ほど追加でかかることもあります。
特に染み抜き無料のお店であれば無料の範囲なのか、有料になるのか、事前にどのような処理になるのかを確認しておくことをおすすめします。
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