動きやすく体温調節がしやすいダウンベストは、コーデ次第で長いシーズン着回しできる便利なアイテムです。
袖がない分洗濯しやすく乾かしやすいメリットがありますが、自宅での洗濯には注意すべき点がいくつかあります。
ダウンベストの洗濯での注意点
まずは自宅で洗濯ができるダウンベストかを確認する必要があります。
洗濯表示を確認する
ダウンベストを洗濯する前に、洗濯表示を必ず確認してください。
 | 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
 | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
 | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
洗濯表示に手洗いのマークがあれば、自宅で洗濯することができます。ただし、洗濯可能なダウンベストでもフードについているファーは水洗いできないので、事前に取り外しておきましょう。
洗濯表示には、洗濯をする際の注意がすべて記載されています。ダウンベストの洗濯に失敗しないためにも、洗濯表示の指示を必ず守りましょう。
素材を確認する
生地の素材によっては自宅では洗濯できないものがあります。
レザーやフェイクレザー、シルク、ウール素材のダウンは色落ちや型くずれや、生地が傷んだり縮んだりしてしまう可能性があるので、自宅で洗濯することはできません。
フードや袖口などに異素材が使われているものも要注意です。
また、縫い目をなくし、特殊な樹脂で圧着加工を施したシームレスダウンは、洗うと接着剤が剥がれしまうことがあります。年数の経ったものほどシーム部分が劣化しやすいので、洗う際には注意が必要です。
装飾やプリント、特殊なロゴマークなどがついている場合も避けたほうがよいでしょう。
ダウン専用洗剤または中性洗剤を使う
一般的な洗濯用洗剤のほとんどはアルカリ性で、アルカリは油や皮脂などの汚れに強く、タンパク質を溶かす性質があります。
ダウンの羽毛は人の髪の毛と同じタンパク質で出来ているため、一般的な洗濯用洗剤では羽毛のタンパク質や、羽毛をコーティングしている油を溶かしてしまいます。
また、洗浄力が高いため、色落ちや風合いが変化する可能性もありますので、洗剤はダウン専用洗剤または中性洗剤を使うようにしましょう。
ファスナーやボタンを閉める
ファスナーやボタンを外したまま洗ってしまうと、ダウンベストの生地を傷つけてしまう可能性があります。取り外せる金具や付属品などがあれば、すべて外しておきましょう。
汚れが気になるところを前洗いする
頑固な汚れは、洗濯機や手洗いでは落ちない可能性があります。まずはどこが汚れているのかを入念にチェックし、洗濯前に汚れを落としておきましょう。
前洗いしておくことで、洗濯後の仕上がりが格段に変わります。
優しく洗う
ダウンベストを強い力でもみ洗いをしたり、こすったりすると、中の羽毛が偏ったり、生地や羽毛を傷める原因になりますので、優しく注意しながら洗いましょう。
しっかりと乾かす
乾燥が不十分だと、ダウンのボリュームが戻らず保温性が下がってしまいます。また、臭いやカビの原因にもなります。
表生地が乾いていても中の羽毛は乾きにくいため、早く乾かす工夫などし、中までしっかり乾かすことが重要です。
ダウンベストの自宅での洗濯方法
自宅での洗濯方法には「手洗い」と「洗濯機」で洗う方法があります。それぞれ洗い方が異なりますので、ご自分に合った洗濯方法で行いましょう。
襟などの頑固な汚れは全体を洗う前に、あらかじめ部分洗いをしておきましょう。
手洗い方法
１．ダウンベストが入る大きさの容器に30℃くらいのぬるま湯を入れ、ダウン専用洗剤またはおしゃれ着用洗剤を適量溶かします。
２．ダウンベストを軽くたたみ、洗浄液の中に入れて押し洗いします。両手を使い、浮いてきたら沈めるを繰り返し、洗浄液が全体に染みこむように優しく押し洗いしましょう。
３．洗い終わったら綺麗な水と交換し、同じように押し洗いをしてすすぎます。水の濁りや水の中の泡が消えるまで水の交換と押し洗いを繰り返し行い、洗剤が残らないようにしっかりすすぎましょう。
４．洗濯に使用した容器の水を抜き、軽く押しながらダウンベストの水を抜きます。絞ってしまうと、型崩れや生地を傷めてしまいますので注意しましょう。
５．大きめのバスタオルを広げ、ダウンベストを挟んで水分を取ります。バスタオルが水分を含みすぎたら新しいバスタオルに交換し、できるだけ水分を取りましょう。
脱水だけ洗濯機で行うことも可能です。その場合、軽く畳んでダウンベストの形を整えてから洗濯機に入れます。1分ごとに脱水を止めてダウンをほぐし、形を整えてからまた脱水する作業を3回繰り返しましょう。
洗濯機での洗濯方法
１．洗濯槽に水をため、ダウン専用洗剤またはおしゃれ着用洗剤を適量入れ、洗濯液を先に作っておきます。
２．ダウンベストのファスナーやボタンをしっかり閉め、キレイに折り畳んで洗濯ネットに入れます。
３．洗濯ネットに入れたダウンベストを洗濯機に入れて、数回押すようにして水の中へ沈めます。浮いてきてしまう場合は、大きめのバスタオルを上にかぶせて沈めましょう。しっかり沈めることでムラなくきれいに洗濯することができます。
４．洗濯機のコースは「手洗い」や「ドライ」を選択し、洗いとすすぎを行います。
５．すすぎが終わったら、1分ごとに脱水を止めてダウンをほぐし、形を整えてからまた脱水する作業を3回繰り返します。脱水は短い時間で繰り返し行うのがコツです。こうすることでダウンが片寄りにくく、シワもつきにくいのできれいに仕上がります。
ダウンベストの洗濯後の干し方
 | 洗濯表示 四角に1つの縦棒はつり干しが良い |
 | 洗濯表示 四角に2つの縦棒はぬれつり干しが良い |
 | 洗濯表示 四角に1つの横棒は平干しが良い |
 | 洗濯表示 四角に1つの縦棒に斜め線は日陰でつり干しが良い |
干し方は洗濯表示を先ずは確認して下さい。干し方に関する洗濯表示は1本か2本の棒と、それが縦か横か、斜め線が入っているかの組み合わせで出来ています。
上記にはありませんが、2つの横棒に斜め線なら「日陰でぬれ平干し」となります。
１．平干しする
最初から吊り干しすると、中の羽毛が水分で下の方に偏ってしまい型崩れの原因になりますので、ある程度乾くまで半日ほど平干しをします。
濡れた状態の羽毛はとてもデリケートです。濡れた状態で中綿をほぐすと、羽毛の繊維が切れてしまう可能性があるので、乾くまでは極力触らないようにすることが綺麗に仕上げるためのポイントです。
２．風通しの良いところで陰干する
半乾きになったら、直射日光が当たらない風通しの良いところで陰干しします。ハンガーは、出来るだけ肩部分が厚いものを選びましょう。
ダウンベストの中に隙間ができるので早く乾かすことができ、型崩れも防げます。薄いハンガーしか無い場合は、タオルなどを巻き付けて調整すればOKです。
３．羽毛にたっぷり空気を含ませる
完全に乾いたら、羽毛が均等になるようにふりさばいたり、軽くたたくなどして中の羽毛をしっかりほぐして空気をたっぷり含ませましょう。
４．ダウンベストのクリーニング料金
ダウンのクリーニング料金は、クリーニング店によってバラつきが見られるアイテムで、ダウンの形状によってもそれぞれ料金が異なります。
| ダウンコート | 2,500円～3,500円 |
| ダウンジャケット | 2,000円～3,000円 |
| ダウンベスト | 1,500円～2,000円 |
ダウンベストはダウンコートやダウンジャケットに比べて乾燥時間が短く済むため、700円〜800円ほど値段が安くなる傾向にあります。
追加料金が発生することも
デリケートな素材や、装飾品やファーなどの付属品がついていると200円～1,000円程度の追加料金が発生する場合があります。
他にも、シミ抜きや撥水加工などのオプションを依頼したときも、同じく追加料金がかかります。追加料金はクリーニング店によって異なるので、事前にお店に確認しておくようにしましょう。
| 撥水加工の料金相場 | 1,000～1,200円程度 |
| シミ抜きの料金相場 | 1,000～2,000円程度 |
高級ダウンは技術のあるお店に依頼する
仕上がりにこだわる高級クリーニング店では6,000～10,000円以上するところも珍しくありません。洗剤の選別や、洗浄・乾燥工程にもこだわっているため料金は高くなりますが、
ハイブランドや高級ダウンなどの場合は、技術や実績が豊富なお店に依頼することをおすすめします。
宅配クリーニングが安い
宅配クリーニングのパック料金制を利用すれば、1点あたりの料金を安くすることができます。
何を出しても金額は一律なので、シーズンオフ時にダウン以外の衣類などとまとめて依頼することで、店舗型よりもクリーニング代を安く抑えることができます。
クリーニング店の営業時間を気にする必要もなく自宅にいながら利用できるため、宅配クリーニングの利用を検討してみるのも良いでしょう。
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