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服の皮脂汚れの落とし方や洗濯方法をプロが解説

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服に皮脂汚れが付くとどのような影響が出るのでしょうか。ここではそんな目に見えない皮脂汚れの落とし方や日ごろのお洗濯方法での気を付けるべきポイントを紹介します。

皮脂汚れ放置は黄ばみ等の変色や臭いの原因に

皮脂は皮膚の保護やお肌の潤いを保つ役割があるため私たちの体にとって必要不可欠なものです。しかし皮脂が服についてしまうと様々なトラブルを引き起こす頑固な汚れとなってしまいます。

代表的なのが黄ばみや黒ずみなどの変色です。皮脂は洋服の繊維の奥まで入り込みやすく、通常のお洗濯だけでは落ちにくいため2~4割程度残ってしまうとも言われます。

一見洗濯で綺麗に落とせたと思っていても次第に落としきれていない皮脂汚れが酸化して黄ばみとなって現れたり、更にはホコリなどが付着すると黒ずみとなってしまいます

そしてもう一つは臭いです。落としきれていない皮脂汚れが臭いの原因にもなっています。黄ばみと同様に洗濯をしても落としきれずに蓄積された皮脂汚れを餌に雑菌が繁殖することで臭いが発生します

雑菌の繁殖には栄養(皮脂汚れ)、水分、温度が関係しているため、汗をかいて濡れたままの衣類を洗濯槽などで放置していると雑菌の温床となってしまいます。お洗濯前の服の保管方法にも注意が必要です。

また一般的に男性が女性の約2倍もの皮脂を分泌しているため、旦那さんの服だけが黄ばんだり臭いがするのはこの皮脂量の差が大きく関係しています。

皮脂汚れは水洗いをすべき理由

お湯やぬるま湯で洗濯する

皮脂汚れは文字の通り「脂(あぶら)汚れ」でもあり、血液や母乳と同じく「タンパク質汚れ」でもあります。皮脂と聞くと脂汚れのイメージが先行して高温のお湯を使った洗濯をして失敗するケースがよく見られます。

それはタンパク質は熱で固まる性質があるため、お湯の熱で凝固し繊維に汚れを固着させてしまうことになるからです。そしてそれらが酸化すると頑固な黄ばみとなってしまいます。

皮脂汚れの洗濯方法

液体洗剤を入れる

「脂(あぶら)」と「タンパク質」を落とせば良いことが分かりましたので、皮脂汚れをすっきり落とす方法を紹介していきます。

皮脂汚れにおすすめの洗剤

皮脂汚れにおすすめしたい洗剤は大きく3つです。

  • 酵素洗剤
  • 固形石鹸
  • アルカリ電解水

酵素洗剤

改めて酵素洗剤と聞くと特別な洗剤なのではと思ってしまいますが、酵素洗剤は洗濯洗剤や食器用洗剤などのでも使われている身近な洗剤です。

普段使用している洗濯洗剤の成分まで見て購入している方は少ないとは思いますが、それらのパッケージや成分をよくよくみると「酵素」という文字が記載されていれば酵素洗剤です。

タンパク質の一種である酵素を加えることで界面活性剤だけでは落ちにくいタンパク質汚れなどを分解し、洗浄力を高めてくれます。いつもの洗濯洗剤を酵素入りの洗剤に変えるだけでも手軽に効果が期待できます。

花王  アタック高活性バイオパワー

アタック高活性バイオパワー

出典「Amazon

粉洗剤は洗剤の溶け残りが懸念されがちですが、アタック高活性バイオパワーは洗剤の粒の真ん中が空洞のマイクロ粒子になっているため水にふれた瞬間に溶けるという優れものです。

蛍光剤配合なので白無地衣類やワイシャツの洗濯に向いています。生成りや色物の衣類を一緒に洗うと白っぽくなってしまう可能性がありますのでその点はご注意下さい。

P&G アリエールバイオサイエンス

出典「Amazon

中性洗剤が多い液体洗剤の中で、アリエールバイオサイエンスは弱アルカリ性でもあり酵素洗剤でもあります。液体洗剤に使い慣れている方には手軽にこれまでの洗剤からチェンジできるのもおすすめです。


固形石鹸

固形石鹸は皮脂汚れのつきやすい部分に直接塗り込んでアプローチができるので、手洗いや洗濯機に入れる前の予洗いとして使用するのに最適です

固形石鹸は弱アルカリ性なので酸性汚れである皮脂はアルカリによって分解することができます。固形石鹸であればアルカリ性ですのでメーカー問わず使用できます。お家にあるもので試しやすいのもメリットです。

牛乳石鹸

牛乳石鹸

出典「Amazon

赤箱・青箱で有名なロングセラー商品ですが、洗濯に使用するイメージはあまりないかもしれません。皮脂を落としてくれる界面活性剤、そしてアルカリの力で汚れを中和して落としてくれます。

全身優しくすっきり洗い上げてくれる石けんなので人体から出る皮脂汚れが得意なのも納得できます。水に溶けやすいのも使い勝手よくおすすめです。


アルカリ電解水

二度拭き不要でお家のお掃除に大活躍のアルカリ電解水ですが実は洗濯にも使用することができます。そんなアルカリ電解水はまさにタンパク質や油脂を分解する働きがあります

さらに汚れを落とすための界面活性剤が入っていないため洗剤成分が残らず安心して使えることも大きな特徴です。

使い方はとても簡単。皮脂汚れの付きやすい襟や袖などにスプレーをして数分置いた後、いつもの洗濯をするだけです。

100円ショップでも購入可能ですので気軽に取り入れられるのも嬉しいポイントです。

そのとき・その水

アルカリ電解水

出典「Amazon

大阪府立大学との共同研究でできた化学薬品不使用の電解水です。その成分は「水」だけですので小さなお子様のいらっしゃるご家庭でも安心して使用できます。

市販されているアルカリ電解水の多くはpH12.5ですが「そのとき・その水」はより強いアルカリ性のpH13もあります。そのため汚れの度合に応じて原液~10倍まで調整が可能です。

水垢・尿石以外の汚れならアルカリ電解水一つで掃除、洗濯と幅広く使えるのでお家に一つあると便利です。


■NGな方法

これらが無い場合の代用方法、やってしまいがちなNGな方法もあわせて確認していきましょう。

洗浄力の強い洗剤を懸念してナチュラルクリーニングとして自然由来の成分を使う方法もあります。その中でもお酢は常備しているお家が多いはず。

食品を扱う台所周りのお掃除で使用したり、洗濯では染み抜きや柔軟材の代用として使用することができます。

皮脂汚れにおいては重曹(アルカリ性)とお酢(酸性)を中和させた時の発砲の力で汚れを落とす方法もよく挙げられますが、実はおすすめはできません。

先ずは口にする安全なお酢でも塩素系の洗剤とは絶対に混ぜて使用してはいけないことです。有毒なガスが発生して死に至る場合があります。

他にも、果実酢などは細菌やカビの栄養源となってしまう事、お酢を洗濯機で使うと金属部分にダメージを負う事などがあります。

殺菌作用なども殆どないので、洗濯での使用はおすすめしません。

皮脂汚れにおすすめの漂白剤

色素が染み付いているような皮脂汚れには漂白剤の出番です。白無地衣類なら塩素系漂白剤の使用もできますが、生成りや色物の衣類でも安心して使える酸素系漂白剤がおすすめです。

その中でもやはり皮脂汚れには弱アルカリ性の性質を持つ粉末の酸素系漂白剤がより効果的です

オキシクリーンEX

オキシクリーンEX

出典「Amazon

「オキシ漬け」で有名なオキシクリーンから皮脂汚れに強い界面活性剤をプラスしたEXシリーズがおすすめです。急いでいる時にはいつもの洗濯機洗いに足して使う「オキシ足し」でも手軽に効果が得られます。

袖口や襟元の頑固な皮脂汚れの落とし方

基本的には洗濯機に入れる前に予洗いしておくことですこのひと手間が袖口や襟元の皮脂汚れを制すると言っても過言ではありません。

■予洗いのポイント

  1. 40℃以下のぬるま湯を使用
  2. アルカリ性の洗剤や漂白剤を使用
  3. 歯ブラシを使用する

1.40℃以下のぬるま湯を使用

皮脂のタンパク質汚れは50℃以上にすると固まってしまうため高温のお湯で洗うことは避けましょう。水でももちろん可能ですが、汚れをゆるめるためにも水よりもぬるま湯の方がおすすめです。

2.アルカリ性の洗剤や漂白剤を使用

これまで紹介してきたアルカリ性の洗剤や石けん以外でも襟袖専用の洗剤を使用もおすすめです。

ただし中には中性洗剤もありますので、できれば液性や成分表を確認してアルカリ性や酵素入りのものを選ぶことをおすすめします。

3.歯ブラシを使用する

使い古しの歯ブラシが一つあると便利です。洗剤を塗布した後、繊維の奥の汚れをかき出すイメージで優しくトントンしましょう。

襟袖専用の洗剤によっては先端がスポンジヘッドになっていて直接塗り込めるような便利なものもありますので、歯ブラシは必要に応じて使ってみてください。

皮脂汚れに漂白剤を使うと日焼け止めに反応しピンクになる事も

日焼け止め

日焼け止め成分と塩素系の漂白剤が反応してピンク色に変色することがあります。日焼け止めはお肌に塗っていても汗と一緒に流れたり、皮脂汚れの付きやすい襟袖部分は擦れやすいため想像以上に繊維に染み込んでいます。

黄ばんだ皮脂汚れを落とそうと漂白剤を使用する考えは間違いではありませんが、塩素系漂白剤がいけません。日焼け止めを使用した日は酸素系漂白剤を使用しましょう

皮脂汚れには重曹とクエン酸のつけ置きが効果ある?

重曹・クエン酸・酸素系漂白剤

アルカリ性である重曹とクエン酸の酸性を混ぜると中和反応で発砲します。そのシュワシュワっとした発砲の力で洗浄するという方法がありますが、こちらの洗浄方法は皮脂汚れに限らずあまり効果がありません。

ましてやつけ置き洗いであれば完全に中和しきってしまっている状態ですので残念ながら重曹、クエン酸それぞれ効果を逆に打ち消してしまうようなものです。

やはり皮脂汚れ(酸性)にはアルカリ性である重曹を単体で使用する方が理にかなっています。

ただし、重曹自体はアルカリ度がそこまで高くありませんのでどちらかと言うとアルカリ性の洗剤や石けんに重曹を足してアルカリ度が高めて使用する方法がおすすめです

また、重曹の代用としてよく研磨剤入りの歯磨き粉を使用する方法も挙げられていますがこちらもおすすめできません。

一見効果があるように見えますが、歯磨き粉の細かい粒子が繊維の奥まで入り込んでしまいまた別の汚れの原因となってしまいます。

歯磨き粉にあるステインなどの着色汚れやホワイトニング効果を期待して、皮脂の黄ばみ汚れも落としてくれると連想されるかもしれませんが、歯磨き粉を使用することでかえって別のトラブルを起こしてしまうことだけは避けましょう。

皮脂汚れをお湯でに洗いすると効果ある?

料理の臭い

頑固な脂汚れはお湯で煮洗いするときれいになるのでは?と考える人も多いのではないでしょうか。しかし先ほど説明したとおり、皮脂汚れはタンパク質汚れでもあるため実は煮洗いはおすすめできません。

煮洗い直後は黄ばみや消臭効果が得られるかもしれませんが、実際には繊維の奥でタンパク質の部分が固まり残ってしまっています。

タンパク質は50℃~60℃の熱を与えると固まる性質があるため、適しているのは40℃以下のぬるま湯を使って洗濯することです

洗濯で落ちない皮脂汚れや黄ばみの対処法

クリーニングに出す

家庭でこれらの方法を試してみても落ちない場合は、クリーニング店に相談することをおすすめします。

クリーニング店では皮脂汚れの度合いや黄ばみの範囲なども見ながら染み抜きとして対応してくれたり、油溶性の汚れである脂をドライクリーニングで落として、タンパク質などの水溶性の汚れを落とす水洗いの両方で汚れを落とすなど、私たちが家庭ではできない技術や洗浄方法を駆使してすっきり落としてくれます

このあたりの洗浄方法や費用はクリーニング店によっても異なりますので事前に確認をしておきましょう。

もちろんそのためにはコストはかかりますが、蓄積された汚れを定期的にすっきり落としてもらうと普段のお手入れがしやすくなるのでおすすめです。

皮脂汚れは天日干しだけでは取れない

紫外線や日光

天日干しはお日様の光に当てて乾かすことですが、メリットは殺菌効果のみです皮脂汚れを栄養にして増えた雑菌には効果が期待できるかもしれませんが、汚れ自体はお日様の力だけでは落とすことができません。

また衣類によっては紫外線が影響して逆に黄ばんでしまうことや、変色することにもなりかねませんので天日干しを推奨しているもの以外は、基本的に風通しの良い場所での陰干しをおすすめします

皮脂汚れはドライクリーニングで落ちるが汗汚れは落ちない

ドライクリーニングの仕組み2

クリーニング店では家庭とは違い油の一種である有機溶剤で洗う「ドライクリーニング」という方法があります。このドライクリーニングは一切水を使用しません。

その特徴としては皮脂などの脂汚れを落とすことは得意ですが、水溶性のタンパク質汚れや汗汚れを落とすことは苦手としています

そのため両方の性質を持つ皮脂汚れに関してはドライクリーニングだけでは皮脂の脂は落とせても、タンパク質の部分や汗汚れが残ってしまいます。

クリーニング店によっても洗浄方法が異なるケースもありますが、このような油溶性の汚れ・水溶性の汚れにあわせて洗うとするとドライクリーニングと水洗いの両方が必要です。

クリーニングに出したからといって全ての汚れに対応できるわけではありませんので注意が必要です。

目に見えない皮脂や汗汚れだからこそ、すっきり落としたい場合は個別に相談した上で洗浄方法も確認することをおすすめします。

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