服に付く臭いには、焼き肉など食べ物の臭いやタバコの臭い、生乾き臭など様々な原因があります。今回は、乾燥機やドライヤーを使って落とせる臭いの種類や、臭いを取る方法をご紹介します。
乾燥機やドライヤーで服の臭いが取れる理由
雑菌臭には乾燥機が効果的
生乾き臭の原因は、「モラクセラ菌」と呼ばれる菌の繁殖です。
モラクセラ菌は人間や動物の体内に必ずいる常在菌と呼ばれる種類の菌で、温度や湿度、エサ、水分などの条件が揃うことで爆発的に繁殖します。
モクセラ菌は乾燥や紫外線に強く、外干しでも一部は残存し続けるため、完全に取り除くことはできません。
ですが、モラクセラ菌は熱に弱いという性質があり、60℃以上の温度で死滅させることができます。
乾燥機は熱を使って早く乾かすことができるだけでなく、その熱により菌を死滅させることができるため、生乾きの臭いを消すことができます。
焼き肉など食べ物の臭いやタバコ臭にはドライヤーが効果的
細かい繊維で作られている衣類は、焼き肉などの食べ物やタバコに含まれる臭いの粒子を繊維に吸着させるため、気になる臭いとして残ってしまいます。
臭いを素早く取るには、ドライヤーを使って風を当てるのが効果的です。繊維の奥まで入り込んだ臭いを完全に消すことはできませんが、衣類の表面についた臭いの粒子を素早く飛ばし、取り除くことができます。
すぐに臭いを落としたい時や、すぐに洗えないコートやスーツなどの消臭には、ドライヤーがおすすめです。
乾燥機やドライヤーで服の臭いを取る方法
乾燥機を利用する前は、衣類によっては乾燥機の使用が不可のものや、素材によって温度設定を変える必要があるので、あらかじめ洗濯表示を確認しておきましょう。
四角に丸と1つの点は排気温度上限60℃の低い温度でタンブル乾燥可能 | |
四角に丸と2つの点は排気温度上限80℃でタンブル乾燥可能 | |
四角に丸と×はタンブル乾燥禁止 |
乾燥機で臭いを取る方法
コインランドリーの乾燥機は約80℃程度まで温度が上がるため、モラクセラ菌を始めとした雑菌を確実に取り除くことが可能です。
コインランドリーの乾燥機には「高温」「中温」「低温」の3つの温度設定機能があります。
高温 | 約70~80℃ |
中温 | 約60~70℃ |
低温 | 約50℃ |
設定温度はお店によって若干異なりますが、モクセラ菌を始めとした雑菌は、60℃以上であれば10~20分程度で死滅するため、中温~高温での使用をおすすめします。
ドライヤーで臭いを取る方法
衣類が入るビニール袋を用意し、空気が通る穴を数か所開けます。ビニール袋に臭いが気になる衣類を入れて、ドライヤーの温風を1分程度当てましょう。
アイロンNG、アイロンには当て布が必要などの表示があれば、ドライヤーの温風を使った方法は使えません。必ず衣類のタグをチェックしてから行うようにしましょう。
アイロンに×はアイロンがけ禁止 | |
アイロンに点が1つは温度110℃を限度としてスチーム無しでアイロンかけ可能 | |
アイロンに点が2つは温度150℃を限度としてアイロンかけ可能 | |
アイロンに点が2つは温度200℃を限度としてアイロンかけ可能 |
ビニール袋がない場合や、熱に弱いデリケートな衣類の場合はドライヤーの冷風機能を使って臭いの粒子を飛ばしましょう。
衣類から10~20センチ程度離して、全体にゆっくりとドライヤーの冷風をあてることで、気になる臭いを薄めることができます。
ドライヤーでの臭い取り方法は、繊維の中まで染み込んだ臭いを完全に取り除くことはできませんが、旅先や出張先などでも手軽にできる方法なので、覚えておくと便利です。
乾燥機やドライヤーで取れない服の臭いの対処法
乾燥機で臭いが取れない場合は、洗濯で落としきれず繊維に残った、汗や皮脂などのタンパク質汚れが原因と考えられます。
タンパク質は熱で固まる性質があるため、汗や皮脂などの汚れが残っている状態で高温の乾燥機に入れてしまうと、タンパク質が固着してしまいます。
雑菌は、タンパク質汚れを栄養分に繁殖して臭いを発しますので、汚れをしっかりと落とすことが大切です。
タンパク質はアルカリによって構造がゆるみ分解されるため、アルカリ剤を用いると効果的に落とすことができます。
ドライヤーでは、表面についた臭いの粒子を飛ばすことはできますが、繊維の中まで染み込んだ臭いを完全に取り除くことはできません。
焼き肉など食べ物の臭いや、タバコの臭いの原因となる粒子は水溶性で、洗濯すると水に溶け出して衣類から離れます。
洗える衣類であれば、水洗いでの洗濯が一番効果的です。自宅で洗えない衣類の場合は、クリーニングに出すことをおすすめします。
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