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服に付いた灯油やガソリンのシミ抜きをプロが解説

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寒い冬に欠かせないストーブの給油や、ガソリンの給油時に、うっかり衣類にこぼしてしまい、どう洗濯をしたらいいかわからず、困っている方も多いのではないでしょうか。

大切な服にシミを残さないために、正しいシミ抜き方法を覚えておけばあわてずに対処できますので、ぜひ参考にしてください。

灯油やガソリンの成分とシミが取れない理由

灯油やガソリンなどの石油製品は、原油を精製して作られています。

石油蒸気を沸点の低いものから順に分けていて、沸点30℃~180℃でガソリン、170℃~250℃で灯油になります。

灯油やガソリンは揮発性が高いため、風通しの良い場所に干しておけば、空気中に蒸発します。しかし、灯油やガソリンは油でできているので服に浸透しやすく、長時間放置すると揮発しにくくなっていきます。

また、成分が油なので、もともと衣類に付いていた油溶性の汚れが灯油やガソリンにより溶解され、気化した際に輪ジミのようになる事もあります。

さらに、油は水に溶けないため、慌てて洗濯機で洗ってしまうと、洗濯機の内部にも灯油やガソリンの臭いが付着してしまいます。他の洗濯物と一緒に洗ってしまうと、臭いが移ってしまうので注意してください。

灯油やガソリンの染み抜き方法

灯油やガソリンの染み抜き

灯油やガソリンが付いてできたシミの染み抜きを始める前に、必ず洗濯表示を確認して下さい。

洗濯表示 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる
洗濯表示 桶に手は40℃を限度に手洗い可能桶に手は40℃を限度に手洗い可能
洗濯表示 桶に×は家庭での洗濯禁止桶に×は家庭での洗濯禁止

手洗い表示の場合は手洗いで、家庭での洗濯禁止の場合はクリーニングに依頼して下さい。

灯油やガソリンの染み抜きに必要な物

食器用洗剤には、食器の油を分解させるための成分が配合されているため、灯油やガソリンの油を分解するには、食器用洗剤を使うのがおすすめです。

食器用洗剤は肌にやさしく作られているので、生地への負担も最小限に抑えられるのがうれしいポイントです。

  • 食器用洗剤
  • 洗面器やバケツなどの容器
  • 40℃くらいのお湯

灯油やガソリンの染み抜き手順

1.洗面器やバケツなどの容器にお湯を入れ、食器用洗剤を数滴入れて5分程つけ置きします。

2.つけ置き後、ガソリンのついた部分を優しく揉み洗いしましょう。お湯を変えながら数回洗います。

3.臭いが取れたら、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であればそのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。

時間が経った灯油やガソリンのシミの落とし方

エタノールには灯油を溶かして浮かす効果があるため、繊維などの奥に入ってしまった灯油を浮かび上がらせることが可能です。とくに、無水エタノールは灯油に対して強い消臭効果が期待できます。

色柄物の場合は服の目立たない部分で、色落ちしないか確認しましょう。

用意する物

  • 無水エタノール
  • タオル
  • ガーゼや布
  • ゴム手袋

引火の危険がありますので、火気がないことを確認してしっかりと換気をしましょう。肌が弱い方はゴム手袋を使用しましょう。

手順

1.タオルの上にシミが付いた衣類を置きます。

2.ガーゼまたは布にエタノールをしみ込ませ、シミ部分をポンポンと叩きます。

3.シミが取れたら、風通しの良い場所で陰干しします。

4.衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であればそのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。

外出先で灯油やガソリンのシミの応急処置

灯油やガソリンは油なので水には溶けません。そのため、慌てて水洗いをしても、灯油やガソリンのシミを落とすことはできません。

灯油やガソリンを外出先で衣類に付けてしまった場合は、衣類にしみ込んでしまう前にタオルやティッシュなどで、少しでも多くの灯油やガソリンをふき取りましょう。

灯油やガソリンは揮発しますが、シミを残さないために、自宅に帰ってからなるべく早く、シミ抜きを行いましょう。

自宅で洗えない衣類や、大切なお洋服の場合は、無理をせずにできるだけ早めに信頼できるプロのクリーニング店に相談しましょう。

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