洗濯は私たちの日常生活に欠かせないものですが、時に衣類の伸び縮みや形崩れの原因にもなります。
ですが、正しい知識と方法を身につければ、これらの問題は予防できます。
これから、衣類を洗濯する際に気を付けるべきポイントと、形を保つための効果的な方法を、洗濯のプロがご紹介。
これを参考にして、あなたのお気に入りの衣類をいつまでもきれいな状態でキープしましょう。
洗濯で伸びる原因と伸びやすい素材
洗濯で伸びる原因
洗濯で衣類が伸びるのには、以下のような原因があります。
- 過度な水分
- 強い機械的なチカラ
- 重力の影響
- 高温の水または乾燥
過度な水分
洗濯中や脱水中に衣類が水を吸収しすぎると、繊維が重くなり伸びることがあります。
強い機械的なチカラ
洗濯機の強い回転や脱水サイクルは、特にデリケートな素材の衣類に強い力を加え、伸びを引き起こす可能性があります。
重力の影響
濡れた状態での吊り下げ乾燥は、重力により衣類が垂れ下がり伸びることがあります。
高温の水または乾燥
高温の水や乾燥機の使用は、繊維を緩ませ、衣類を伸ばす可能性があります。
伸びやすい素材
以下は、特に伸びやすい傾向がある素材です。
- ニット素材: ウールやカシミアなどのニット素材は、編み目が緩むことで容易に伸びることがあります。
- 綿(コットン): 特に編み方や織り方によっては、コットン製品も伸びやすい場合があります。
- レーヨン: 水に弱い特性を持つため、洗濯時に伸びる可能性が高いです。
- シルク: 高級感はありますが、デリケートなシルクは水分と熱に敏感で、伸びやすいことがあります。
- 合成繊維: 一部の合成繊維(特に伸縮性のあるもの)は、洗濯により形状が変わりやすいです。
洗濯で伸びない方法

洗濯で衣類が伸びるのを防ぐためには、いくつかの重要なステップと注意点を守る必要があります。
以下に、効果的な方法をいくつか紹介します。
洗濯は優しいモードを選ぶ
デリケートな素材や伸びやすい衣類の場合は、洗濯機のデリケート洗いモードを利用します。
また、熱水は繊維を緩めてしまう可能性があるため、冷水で洗濯することが推奨されます。
適切な洗剤の使う
おしゃれ着洗剤や中性洗剤の成分は、繊維を優しく洗うことができ、伸びやヨレを予防する成分が配合されています。
洗濯方法を工夫する
- 衣類を裏返しにする: 色あせや摩擦による損傷を防ぐため、洗濯前に衣類を裏返しにします。
- 洗濯ネットの使う: 特にニット素材などの伸びやすい衣類は、洗濯ネットに入れて洗うことで、摩擦を減らすことができます。
- 襟・首元を輪ゴムで止める: 洗濯前に襟・首元を軽く輪ゴムでとめることで洗濯中の伸びを予防することができます。
乾燥方法の見直し
高温の乾燥機の使用は避け、自然乾燥を選ぶことが望ましいです。
また、濡れた状態での吊り下げると、水分の重みで伸びる可能性があるので、平干しをするかタオルに包んで水分を優しく取り除く方法をおすすめします。
手洗いをする
デリケートな素材や、洗濯タグに「手洗いマーク」が記載されている場合は、優しい手洗いが最も安全な方法です。
これらの方法を適切に実践することで、洗濯による衣類の伸びを効果的に防ぐことができます。
また、衣類の素材や特性に合わせたケアを心がけることが重要です。
洗濯で伸びた服を戻す方法

洗濯で伸びてしまった服を元の形に戻すためには、いくつかの方法があります。
ただし、これらの方法は素材によって適さない場合もあるため、衣類の素材や状態に注意しながら行いましょう。
水とアイロンを使う(スチームアイロンも可)
- 湿らせる: 伸びた部分を軽く湿らせます。霧吹きで水を吹きかけるか、湿らせた布で軽くたたくようにします。
- アイロンをかける: 衣類の素材に合わせた温度設定でアイロンをかけ、生地を優しく引っ張りながら形を整えます。
洗濯と乾燥の組み合わせ
- 手洗いをする: 伸びた服を冷水で優しく手洗いします。
- 平干しで乾燥: 水分をやさしく押し出した後、平干しで自然乾燥させます。伸びた部分を軽く引っ張りながら、元の形に整えます。
氷水を使う
洗面器に氷水をはり、衣類の伸びた部分を1分程度浸して軽く揺らします。
絞る時は、固く絞るとまた伸びてしまうので、水を押し出すようにして絞りましょう。
柔軟剤を使う
- 洗面器に約10Lの水をはり、柔軟剤を規定量入れる
- 洗濯後の衣類を30秒〜1分程度浸す
- 衣類の伸びた方向から90度の角度に引っ張り形を整える
- 洗濯ネットに畳んで入れて、洗濯機で脱水する
クリーニング店へ依頼する
自分では改善が難しい伸びや、ご家庭で処理するのが不安な高価な衣類の場合は、プロのクリーニング店に依頼することをおすすめします。
洗濯で縮む原因と縮みやすい素材

洗濯で縮む原因
洗濯で衣類が縮む現象は、主に以下の要因によって引き起こされます。
- 高温の水または乾燥
- 強い機械的な摩擦
- 化学的反応
高温の水または乾燥
高温での洗濯や乾燥は、多くの素材にとって過酷な環境を作り出し、繊維が収縮してしまう原因となります。
強い機械的摩擦
洗濯機の強い回転や、洗濯中の衣類同士の摩擦は、繊維を緊張させ、結果として縮みを引き起こすことがあります。
化学的反応
洗剤の種類や水質(特に硬水)が原因で、繊維が化学反応を起こし縮むこともあります。
縮みやすい素材
縮みやすい素材は主に天然繊維からなるものが多く、以下のような素材が該当します。
- ウール: ウールは繊維が熱や摩擦に敏感で、特に洗濯機で洗うと縮む可能性が高いです。
- カシミア: カシミアもウール同様、デリケートな繊維構造を持ち、洗濯時に縮みやすいです。
- コットン: 特に織り方や加工によっては、コットン製品も縮みやすい場合があります。
- リネン: リネンは比較的堅牢ですが、不適切な洗濯方法では縮むことがあります。
- シルク: シルクは熱や水に敏感で、洗濯によって縮む可能性があります。
縮み防止の洗濯方法

衣類の縮みを防ぐための洗濯方法には、いくつかの重要なポイントがあります。
これらの方法を適切に実行することで、特に天然繊維製の衣類を縮みから保護することができます。
洗濯タグを確認する
![]() ![]() | 桶に30は液温は30℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる 桶に40下に横棒1本は液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる など |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 四角に丸と1つの点は排気温度上限60℃の低い温度でタンブル乾燥可能 |
![]() | 四角に丸と×はタンブル乾燥禁止 |
低温で洗う
高温の水は繊維を収縮させる可能性があるため、特にデリケートな素材の場合は冷水で洗濯します。
洗濯は優しいモードを選ぶ
洗濯機にデリケート洗いモードがあれば、それを利用して洗濯します。これにより、衣類への摩擦が減り、縮みを防ぐことができます。
手洗いをする
特にデリケートな衣類の場合は、手洗いが最も安全です。衣類をやさしく押し洗いし、強くこすったり絞ったりしないようにします。
適切な洗剤の使う
強力な洗浄力を持つ洗剤は避け、おしゃれ着洗剤や中性洗剤などデリケートな素材用の優しい洗剤を使用しましょう。
乾燥方法の見直し
高温の乾燥機の使用は避け、平干しや陰干しで自然乾燥させます。衣類を平らな面に広げて乾かすことで、形を整えやすくなります。
洗濯ネットの使う
洗濯ネットに衣類を入れることで、他の衣類との摩擦を減らし、縮みを防ぎます。
これらの方法を適用することで、洗濯による衣類の縮みを効果的に防ぐことができます。
また、衣類の素材ごとの洗濯表示に注意を払い、指示に従って洗濯することが重要です。
洗濯で縮んだ服を戻す方法

洗濯で縮んだ服を元のサイズに戻すのは難しい場合がありますが、いくつかの方法である程度元に近づけることは可能です。
以下に、縮んだ衣類を伸ばすための方法をいくつか紹介します。
ただし、これらの方法は素材によっては適さない場合があるため、行う前に衣類の洗濯タグを確認し、慎重に進めることが重要です。
縮んだ衣類をぬるま湯に約20分から30分間浸します。これにより繊維が柔らかくなり、伸ばしやすくなります。
水に規定量の柔軟剤や少量のヘアコンディショナーを加えると、繊維がさらに柔らかくなり、伸ばしやすくなります。
浸した衣類を取り出し、手で優しく繊維の方向に沿って伸ばします。特に縮んだ部分を重点的に均等に伸ばすようにします。
洗濯後の衣類を大きめのタオルに包み、軽く押して余分な水分を吸収させます。
そのあと、伸ばした衣類を平らな面に広げ、自然乾燥させます
これらの方法は、縮んだ衣類をある程度元のサイズに近づけることができますが、完全に元の状態に戻るとは限りません。
縮みを最小限に抑えるためには、最初から適切な洗濯方法を選択することが重要です。
洗濯でヨレヨレになる原因とよれる箇所

洗濯でヨレヨレになる原因
洗濯によって衣類がヨレヨレになるのは、主に以下のような原因によります。
- 強い機械的な摩擦
- 過度な脱水
- 不適切な乾燥方法
- 着脱時
強い機械的摩擦
洗濯機の強い回転や洗濯中の衣類同士の摩擦は、繊維や縫製部分にストレスを与え、形が崩れる原因になります。
過度な脱水
強い脱水サイクルは衣類を強く絞るため、特に繊維が柔らかい素材では形が崩れやすくなります。
不適切な乾燥方法
高温の乾燥機使用や不適切な干し方は、衣類の形を歪める原因になることがあります。
着脱時
衣類を脱いだり、着たりするときに首周りがヨレヨレになることがあります。
ヨレやすい箇所
衣類の特定の部分は、他の部分よりもヨレやすい傾向にあります。
- 衿(襟): シャツやブラウスの衿は、形が崩れやすく、洗濯によってヨレやすい部分です。
- 袖口: 袖口は腕まくりなどを頻繁にすると特にヨレやすく、洗濯による摩擦にも敏感な部位です。
- 裾: 衣類の裾も摩擦により形が崩れやすく、特に長い服やスカートでは顕著になりがちです。
- 縫い目部分: 服の縫い目やボタンホールなどのジョイント部分も、縫製のストレスによりヨレやすいです。
ヨレヨレにならない洗濯方法

洗濯で衣類がヨレヨレになるのを防ぐためには、以下のような洗濯方法を採用することが効果的です。
洗濯は優しいモードを選ぶ
デリケートな衣類や繊細な素材の場合、洗濯機のデリケート洗いモードや手洗いモードを選択します。これにより、衣類への摩擦が減り、形崩れを防げます。
低温での洗濯
熱水は繊維を緩ませる可能性があるため、冷水で洗濯することが推奨されます。特にウールやシルクなどのデリケート素材には、冷水が適しています。
手洗いをする
特にデリケートな衣類の場合、優しく手洗いすることで、形を保つことができます。衣類をやさしく押し洗いし、強くこすったり絞ったりしないように注意します。
洗濯ネットの使う
ヨレやすい衣類は洗濯ネットに入れて洗うことで、摩擦を減らすことができます。
脱水しすぎない
強い脱水、長時間の脱水は衣類を引っ張り、形を崩す原因になるので、脱水は短時間にし、優しい設定を選びます。
自然乾燥をする
高温での乾燥機の使用は避け、自然乾燥を選ぶことが望ましいです。可能な場合は、平干しや陰干しで乾かします。
乾燥前に形を整える
洗濯後、乾燥する前に衣類を整え、必要に応じてやさしく伸ばして形を整えます。
ヨレヨレになった服を戻す方法

ヨレヨレになった服を元の状態に戻すためには、いくつかの方法があります。
ただし、これらの方法は服の素材によって異なる効果をもたらすため、衣類の素材や洗濯タグを確認した上で慎重に行いましょう。
ヨレた服をぬるま湯に浸し、繊維を柔らかくして伸縮性を高めます。約15~30分間浸しておくと効果的です。
水から取り出した後、手で優しく衣類を引っ張り、元の形に整えます。特にヨレた箇所に注目し、均等に伸ばすように心がけます。
水から取り出した後、手で優しく衣類を引っ張り、元の形に整えます。特にヨレた箇所に注目し、均等に伸ばすように心がけます。
衣類が乾いた後、低温設定でアイロンをかけることで、生地を引き締めて形を整えることができます。素材によってはスチームアイロンが効果的です。
衣類の扱い方一つで、その寿命が大きく変わります。
今回紹介した洗濯のコツを活かして、あなたの愛用する服たちをベストな状態で保ちましょう。
大切な衣類を長持ちさせ、毎日の着こなしをより楽しむために、これらのヒントを活用してみてくださいね。
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