肌触りが良く、高い吸湿性を持つテンセル（リヨセル）は、その特殊な素材特性から、適切なお手入れをしなければ、繊維を傷めたり、変形してしまったりする可能性があります。
そこで、テンセル（リヨセル）製品の正しい洗濯方法と、注意すべきポイントを詳しくご紹介します。
テンセル(リヨセル)とは
テンセル（リヨセル）とは、天然の木材パルプを原料として製造される再生繊維の一種で、リヨセルはテンセルの一般的な商標名で、どちらも同じ素材です。
この素材は、特に持続可能なファッションと、環境への影響を最小限に抑えることに配慮した製品製造において重要な役割を果たしています。
使用される溶剤は、ほぼ完全に回収・再利用されるため、廃棄物が少なく、水の使用量も抑えられ、このクローズドループ製造プロセスは、テンセル（リヨセル）がエコフレンドリーな素材として評価される大きな理由の一つです。
テンセルは、衣類、寝具、タオルなどの製品に理想的な材料としてとても人気です。
そんなテンセル（リヨセル）にも、メリットとデメリットがあります。
メリット
光沢が美しい
テンセルは自然な光沢があり高級感があります。この光沢は製品に上品な見た目を与え、ファッションアイテムに特に適しています。
生地が柔らかい
テンセルの生地は非常に柔らかく、肌に優しい触感なので快適な着心地で、敏感肌の人にも適しています。
保湿性と吸湿性
優れた保湿性と吸湿性を持っています。これにより、肌をドライに保ちながら、汗を効果的に吸収して快適さを維持します。
速乾性
吸湿性に優れる一方で、速乾性も特徴の一つです。
濡れてもすぐに乾くため、アクティブなライフスタイルや梅雨の季節にも適しています。
デメリット
摩擦に弱い
テンセルは摩擦に弱く、特に濡れているときはよりデリケートになります。
これは洗濯や日常の摩耗で生地が損傷する原因になり得ます。
シワになりやすい
テンセル製品はシワになりやすく、特に洗濯後の取り扱いに注意が必要です。
アイロンをかける際にも特別なケアが求められます。
虫食いやカビ
天然繊維であるため、テンセルは虫食いやカビの影響を受けやすいことがあります。適切な保管とケアが必要です。
これらのメリットとデメリットを理解し、適切に扱うことで、その美しさと機能性を最大限に活かすことができます。
テンセル(リヨセル)の洗濯での注意点
テンセルの洗濯方法には、いくつか注意点があります。
- 洗濯タグを確認する
- 色移りや色落ち
- 白化する
- 毛玉や毛羽立ち
- 縮みやシワ
洗濯タグを確認する
- テンセル製品には、そのお手入れ方法を示す洗濯タグが付いています。洗濯前にはこのタグを確認し、指示に従ってください。
- もし「水洗い不可」と記載されている場合は、自宅での洗濯を避け、プロのクリーニングサービスに依頼するのが最善です。
色移りや色落ち
- テンセルは色移りや色落ちをすることがあります。特に新しい製品や濃色のものは注意が必要です。
- 他の衣類と分けて洗うか、色移りを防ぐ洗濯用のネットを使用すると良いでしょう。
白化する
- テンセル製品は、洗濯時に強い化学洗剤や漂白剤を使用すると白化する可能性があります。
- 繊維にやさしい洗剤を使い、漂白剤の使用は避けましょう。
毛玉や毛羽立ち
- 摩擦によってテンセルは毛玉や毛羽立ちを起こすことがあります。
- デリケートな洗濯サイクルを選び、洗濯ネットを使うことで、これらの問題を最小限に抑えられます。
縮みやシワ
- テンセルは水分を吸収すると縮む傾向があり、また乾燥時にはシワができやすいです。
- 水またはぬるま湯で優しく洗い、軽く絞って形を整えた後、平干しにすることで縮みやシワを防ぎます。
これらの注意点を守ることで、テンセル製品の美しさと持続性を保ちつつ、最適なケアが可能です。
次に、具体的な洗濯方法について詳しく見ていきましょう。
テンセル(リヨセル)の洗濯方法
テンセル製品を正しく洗濯することで、テンセル製品を最適な状態で保つことができます。
それでは、テンセル製品の洗濯の秘訣を見ていきましょう。まずは、おすすめの洗剤。
テンセル(リヨセル)の洗濯におすすめの洗剤
 | ■ナノックス 3つの新技術を備えた「コンプリート洗浄」で テンセルに付いた汗や皮脂汚れをすっきり落とし、 嫌な臭いの発生を抑えます。 また、テンセル繊維を摩擦から防止して色褪せを抑制。 |
 | ■アクロン 「キレイ修復洗浄」で1日着たテンセル製品の 首元や袖口などの伸びやヨレを整えます。 |
 | ■エマール 洗うほどにキレイに長く着れるようになり、 エマールの「ダメージリペア技術」で ヨレた繊維の内側から修復しピンとハリを取り戻します。 |
テンセル(リヨセル)の洗濯機での洗い方
- 中性洗剤またはおしゃれ着洗剤
- 洗濯ネット
洗濯機の中での摩擦や引っ張りを最小限に抑え、繊維の損傷を防ぐことができます。
摩擦に弱いので、やさしく洗えるモードを選ぶ
テンセル(リヨセル)の手洗い方法
- 洗面器
- 中性洗剤またはおしゃれ着洗剤
- 水
テンセル(リヨセル)の脱水方法
洗濯が終わったら、絞らず押して軽く水気を出した後、タオルに挟んで水気を取り除きましょう。
もし、洗濯機で脱水する場合は、20秒〜30秒程度で取り出してください。
短い時間で脱水することで、繊維へのストレスを軽減し縮みや形崩れを防ぎます。
テンセル(リヨセル)の汗染みや水染みの落とし方
早めの対応する
染みがついたらできるだけ早く対処することが重要です。時間が経つほど、染みが生地に定着しやすくなります。
落とし方
- 中性洗剤またはおしゃれ着洗剤
- 水
- 歯ブラシ
熱い水は繊維を硬化させる可能性があるため、冷水を使うことが望ましいです。
シミの周りから、シミ中心に向かって叩いていくイメージ。
強くこすると繊維が損傷する可能性があるため、優しく叩きましょう。
冷水で優しくすすぎ、余分な水分を手で軽く押し出します。
直射日光は避け、風通しの良い場所で乾かすことが望ましいです。
デリケートなテンセル繊維には優しい扱いが必要なため、処理中には慎重な対応を心掛けてください。
テンセル(リヨセル)の乾燥とアイロンの掛け方
テンセルの乾燥方法
自然乾燥がベスト
テンセル製品は、平干しで自然乾燥させるのが最も良い方法です。直射日光を避け、風通しの良い場所で乾かします。
平干しにすることで、製品が均等に乾燥し、形崩れや縮みを防ぐことができます。
乾燥機で完全に乾かさない
 | 四角に丸と2つの点は排気温度上限80℃でタンブル乾燥可能 |
 | 四角に丸と1つの点は排気温度上限60℃の低い温度でタンブル乾燥可能 |
 | 四角に丸と×はタンブル乾燥禁止 |
洗濯タグを確認後、乾燥機が使えるテンセル製品の場合は、低温設定を選び、完全に乾かすのではなく短い時間で半乾き状態で取り出し、あとは自然乾燥させましょう。
高温や長時間の乾燥は繊維にダメージを与える可能性があり、縮みや形崩れの原因にる可能性があります。
アイロンの掛け方
 | アイロンに点が2つは温度200℃を限度としてアイロンかけ可能 |
 | アイロンに点が2つは温度150℃を限度としてアイロンかけ可能 |
 | アイロンに×はアイロンがけ禁止 |
高温は避け、繊維に優しい温度でアイロンをかけることが重要です。
テンセル製品に直接アイロンをかけると光沢が出たり、熱によるダメージが生じる可能性があります。当て布を使用することで、これらの問題を防ぐことができます。
テンセル製品の乾燥とアイロン掛けは、これらの方法で慎重に行うことで、衣類の品質を維持し、長持ちさせることができます。
水洗い不可のテンセル(リヨセル)の臭い対策
水洗いができないテンセル（リヨセル）製品に臭いが付着した場合、洗濯せずに臭いを取り除く方法が必要です。
以下に、水洗い不可のテンセル製品の臭い対策についての方法を紹介します。
風通しの良い場所で干す
衣類に臭いが付着している場合、まずは風通しの良い場所で数時間吊るして換気を行います。屋外の日陰や通気性の良い室内が適しています。
消臭スプレーの使用
テンセル専用、またはデリケートな素材用の消臭スプレーを使用します。市販の消臭スプレーを選ぶ際は、テンセルに使用できるかどうかを確認しましょう。
重曹や活性炭を利用
重曹や活性炭は、自然な消臭剤として効果的です。布製品の近くに置いておくことで、臭いを吸収し、中和することができます。
クリーニング店へ依頼する
頑固な臭いが取れない場合は、プロのクリーニングサービスに相談することを検討してください。ドライクリーニングは、水洗い不可の素材に適した方法です。
それぞれの方法はテンセルの特性に配慮しており、製品を傷めることなく、臭いを改善することができます。
テンセル(リヨセル)のクリーニング相場
テンセル（リヨセル）製品のクリーニング相場は、地域、クリーニングサービスの種類、および衣類の種類やサイズによって異なります。
シャツやブラウスなどの小物は、大体500円〜1,000円程度で比較的安価にクリーニングできる場合が多いですが、ドレスやコートなど大きなアイテムは高額になることがあります。
また、テンセル製品が特別な処理を要する場合、例えば染み抜きや特殊な洗浄方法が必要な場合、追加料金がかかることがあります。
そのため、依頼する前に直接クリーニング店に問い合わせて、事前に料金の確認をしましょう。
ここまで、テンセル製品を正しく洗濯し、その特性を活かす方法をご紹介しました。
これらのヒントを活用して、お気に入りのテンセルアイテムを長く美しく保ちましょう。
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