香水の良い香りを身にまとうと気分も上がって良いものですが、つけ方によっては衣類のシミになってしまうことがあります。
大切な衣類にシミを残さないために、正しいシミ抜き方法を覚えておけばあわてずに対処できますので、ぜひ参考にしてください。
香水の成分とシミが取れない理由
香水にはさまざまな成分が複雑に配合されています。
精油や香料などの匂い成分を数種類ブレンドして作られていて、体温によって揮発することで独特の香りを楽しめるのですが、衣類に付着すると生地に浸透してしまいます。
衣類についた香水は、直射日光に当たると茶色いシミになりやすく、また色つきの香水の場合は、シミになるだけでなく色が移ってしまうということもあります。
シミ抜きは、繊維に付着した汚れを分解したり溶かしたりすることで除去していきますが、複数の成分が混ざった香水は一つ一つの成分を取り除く必要があるため落ちにくいのです。
香水の染み抜き方法
香水の染み抜きを始める前に、洗濯表示を確認して下さい。
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
手洗いマークは手洗いで、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。
香水の染み抜きに必要な物
香水はファンデーションや口紅と同じく油分が含まれているので、油分を分解するアイテムを使うとシミが抜けやすくなります。無水エタノールや消毒用アルコールは油性のシミを分解する働きがあるので、香水のシミ抜きに効果的です。
- 無水エタノールまたは消毒用アルコール
- 食器用洗剤
- 歯ブラシ
- タオル
引火の危険がありますので、火気がないことを確認してしっかりと換気をしましょう。また、肌が弱い方はゴム手袋を使用しましょう。
香水の染み抜き手順
1.シミのついた部分を下にして、タオルに置きます。
2.歯ブラシにアルコールをつけ、シミを裏側からトントンと叩きタオルにシミを移していきます。ゴシゴシ擦ってしまうと衣類の繊維を傷めてしまいますので注意しましょう。
3.様子を見ながら、少しずつアルコールを足してシミを落としていきましょう。
4.アルコールをつけた部分を食器用洗剤でもみ洗いします。
5.シミが残っていたら、②~④を繰り返しましょう。
6.最後に、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であれば、そのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。
シミ抜きは、シミの外側から中心に向かって落としていくと、周りににじんだシミが残ることを防ぎ、きれいに落とすことができます。
重曹を使った香水のシミ抜き手順
お掃除でも大活躍の「重曹」は油汚れを分解するのが得意で、衣類のシミ落としにも使えます。また、重曹はシミ抜きだけでなく消臭効果もあるので、香水の匂いをしっかりと落とすことができます。
自然由来成分で、人にも環境にも優しく安心素材のため、デリケートな衣類には重曹でのシミ抜きがおすすめです。
1.水3:重曹1の割合で混ぜ合わせ、重曹ペーストを作ります。
2.シミ部分の裏側にタオルを置きます。
3.シミ全体を覆うように重曹ペーストを塗り10~15分程放置し、汚れを浮かせます。
4.重曹ペーストの上から食器用洗剤を数滴たらし、もみ込みます。
5.水を張った洗面器などの容器に浸し、30分程放置しましょう。
6.最後に、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であれば、そのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。
重曹でのシミ抜きでシミが残る場合は、酸素系漂白剤と組み合わせてみましょう。重曹ペーストを塗りこんだ箇所に液体酸素系漂白剤をつけて、10分ほど放置しましょう。その後は普段通りに洗濯すれば完了です。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
漂白剤を使うので、酸素系漂白剤が使用可能かも洗濯表示で確認し、問題なければ染み抜きを進めて下さい。
無理やりシミ抜きすると、かえってひどくなることもあります。自宅で落ちないシミや大切なお洋服の場合は、無理をせずにできるだけ早めに信頼できるプロのクリーニング店に相談しましょう。
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