カシミアは、優雅さと極上の暖かさによって人々を虜にします。贅沢な素材としての名声を誇り、その柔らかさは言葉では表現しきれません。ですが、カシミアはとてもデリケートな素材なので、正しい洗濯方法とクリーニングが欠かせません。
適切な処理を怠ると、お気に入りの衣類を台無しにしてしまう可能性もあるため、この記事では、カシミアの洗濯方法とクリーニングについて、詳しくご紹介いたします。
カシミヤの洗濯を失敗時のリスクと注意点
カシミアは洗濯方法を誤ると、下記のような問題が生じる可能性があります。
- 繊維の傷みや形状の変化(縮みや伸び)
- 色落ちや色移り
- 毛羽立ちや糸のほつれ
- 繊維の弱化と形状の変化(水に浸すことによる)
- 乾燥機や直射日光の影響による品質低下
カシミヤを自宅で洗濯する方法

自宅で洗えるカシミヤの洗濯表示
まずは、洗濯する前に洗濯タグを確認しましょう。最近では、自宅でも洗濯ができる製品も増えてきましたが、基本は「家庭での洗濯不可」と表示されていることが多いです。
![]() | 40度を上限とし洗濯機で洗える | ![]() | 30度を上限とし洗濯機で弱く洗える |
![]() | 40度を上限とし洗濯機で弱く洗える | ![]() | 手洗いで洗濯可能 |
![]() | 30度を上限とし洗濯機で洗える | ![]() | 家庭での洗濯不可 |
ご自宅で洗濯される際は、あくまでも自己責任で行い不安な方はクリーニング店へ依頼しましょう。
カシミヤの洗濯におすすめの洗剤や柔軟剤
強いアルカリ性の洗剤や酸性の洗剤は繊維を傷つける可能性があるため、カシミアの洗濯には中性洗剤やおしゃれ着洗剤を使用しましょう。ご自宅にない場合は、シャンプーやトリートメントを代用することも可能です。
シャンプーやトリートメントには、頭皮や髪の毛を優しく洗い上げるための成分が含まれているため、これが衣類の繊維にも優しく働きかけ、汚れや臭いを取り除きながら衣類の柔軟性を保つことができます。
ただし、シャンプーやトリートメントを代用する際には以下2点に注意しましょう。
- 洗浄力がやや弱いため、汚れが完全に落ちない
- 素材によって適切な成分が異なるため確認する
カシミヤを手洗いする方法
縮みの原因になるため、お湯やぬるま湯はNG
できるだけ短時間で行う
カシミヤを洗濯機で洗う方法
機種によってモード名が異なるため確認しましょう
カシミヤの洗濯後の脱水方法
手洗いが終わったら、大きなタオルに挟んで水気を取り除きましょう。洗濯ネットに入れて洗濯機で30秒~1分脱水してもOKです。
カシミヤのぬめりを復活させる方法
カシミヤ用のファブリックコンディショナーを使用することで、カシミヤの繊維に栄養を与え、柔軟性やぬめりを取り戻す効果があります。髪用のコンディショナーも代用することが可能です。
カシミヤの静電気を抑える方法
- 同じ性質を持つカシミア製品を組み合わせてコーディネートを組む
- 綿や麻などの天然素材を組み合わせる
- 静電気防止スプレーを吹きかける
カシミヤの洗濯後の乾燥や干し方

洗濯後、干す時は型崩れを防ぐために平干しネットを使って平干ししましょう。ハンガーにかけたり、洗濯バサミで挟むと伸びたり生地が傷む原因となるため避けましょう。

また、変色防止のために直射日光は避けて風通しの良い場所で干してください。
カシミヤのアイロンの掛け方

カシミア素材の衣類は、繊細で高級感のある素材ですが、適切な注意とケアを施す限り、アイロンを使用して仕上げることができます。
素材の特性を理解し慎重なアイロン掛けを心掛けることで、カシミアの美しい質感を損なうことなくシワを取り除き、洗練された仕上がりになります。
![]() | 温度110℃を限度としてスチーム無しでアイロンかけ可能 |
![]() | 温度150℃を限度としてアイロンかけ可能 |
![]() | 温度200℃を限度としてアイロンかけ可能 |
![]() | アイロンがけ禁止 |
アイロンを使用する際には、カシミアの繊維を保護するために、必ず当て布を使用してください。当て布をカシミアの上に置くことで、直接的な接触を避け繊維の潰れを防ぐことができます。また、カシミアの繊細な特性を考慮し、アイロンを軽く滑らせるように注意しましょう。
さらに、スチーム機能がついたアイロンを使用と、繊維を柔らかくしシワを効果的に伸ばす効果がありますが、過剰なスチームを使用すると湿気がカシミアに吸収され、繊維が損傷する恐れがあるため、適度な量のスチームを使うことが大切です。
一方通行で当てる。蒸気がこもらないように通気性の良いアイロン代を使用するか、ハンガーにかけたままかける
カシミヤのおすすめ洗濯頻度や期間

洗濯頻度は、おおよそ1シーズンに1.2回程度を目安にしましょう。もし、臭いなどが気になる場合は、風通しの良い日陰に干すことで軽減することができるのでお試しください。
水洗い不可で洗濯できないカシミヤのお手入れ方法

■1度着たら2.3日は空ける
カシミアは非常に吸湿性が高く、着用後に湿気を逃がすためには休ませる時間が必要です。また着用後は、必ず広げて干すようにしましょう。これによって湿気をしっかり逃がすことができます。
■ブラッシングする
可能であれば着用ごとにブラッシングを行いましょう。その際は、柔らかい毛足のブラシ(馬毛や山羊毛)を使って優しくブラッシングすることで、毛並みも揃い、さらに毛玉の発生を防ぐことができます。
■防水スプレーやクリーニング店で撥水加工をする
カシミアは水に弱いため、防水スプレーを使用することで衣類を水から保護することができます。さらに高い水の浸透防止効果を得るためには、クリーニング店で撥水加工を行うことを検討しましょう。
カシミヤのおすすめ保管法と虫食い予防対策

天然素材のカシミアは、その繊細さから虫食いの被害に遭いやすいことが知られています。虫食いの被害は、カシミアの美しさや耐久性を損ねるだけでなく、修復が困難な場合もあるため、長期間保管する場合や暖かい季節にしまい込む前に注意が必要です。
【おすすめの保管方法】
- カシミアを広げた状態でハンガーにかける
- 保管前に洗濯やクリーニングで綺麗にする
- 密閉袋に入れて虫の侵入を防ぐ
- 防虫剤を使用して虫の被害を防ぐ
防虫剤は、カシミア製品に触れると化学変化でシミや変色が起きる場合があるので、触れないようにセットしましょう。
カシミヤのおすすめクリーニング

カシミヤのクリーニング料金相場
サイズや汚れの程度によって異なることがありますが、セーターやカーディガンで大体1,000円~2,000円程度です。コートなどの大きなアイテムや特殊な加工が必要な場合は、料金が上がることがあるため、事前に店員さんへ確認しておきましょう。
また、高品質なカシミヤ製品を適切に扱うためには、経験豊富なクリーニング店や専門のカシミヤクリーニングサービスを利用し、安価なクリーニング店での料金に惑わされず、品質や信頼性も重視しましょう。
カシミヤにおすすめのクリーニング方法と頻度
おすすめのクリーニング方法は、店舗ごとに色んなオプションがあり代表的なものとして3点あります。
- 撥水加工
- 防臭加工
- 防虫加工
頻度としては、月に1回程度が目安ではありますが自宅での手洗いも併用することでカシミヤの美しさを長く保つことができるでしょう。
クリーニングに失敗したカシミヤの対処法
信頼できるクリーニング店を選ぶことはとても重要ですが、残念ながら時にはクリーニング店での失敗例も見受けられます。
- 子供用のカシミアニットが縮んだ
- 風合いを失いゴワゴワになった
そのため、クリーニング後に受け取ったあとは、まず店頭で気になる点がないか確認をしましょう。その際に、縮みやゴワつきなどを発見した場合、店員さんへ申告しクリーニング店側が原因だった時は弁償や返金をしてもらえることがあります。
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